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第1話
「東郷泉(とうごういずみ)会長!今回の定期会議の事なんですが__」
俺の耳をつんざく委員会の誰だか知らないやつからの質問。
生徒会長、これがどれだけ荷が重く、ストレスの根元であるか、一般の生徒なら理解し得ないだろう。
しかし、ここの東高校という男子校を統べる俺は、学校を代表する身であるから、へまはできない。
定期会議の予定変更の件を耳にいれる傍ら、もうすぐ新入生と在校生の対面式があるため、その進行準備にペンを滑らせる。
来年で受験生となり「生徒会長」お役御免だが、あと一年も俺の体が持つかは定かではない。
そもそも、立候補せずとも勝手な投票で二年連続生徒会長とは、全く遺憾千万だ。
「泉、この日に定期会議を入れてくる。委員会のヤツにも伝達してくるな」
「ああ、ありがとう」俺はそう言いつつも、視線の先は下にある。
さっきの声のトーンが高すぎるヤツとかわって、落ち着いた声を出す生徒会三役の三船は、俺が片手間で接しているにも関わらず、すんなりと仕事を済ませてくれる。
右腕といっても過言ではない。
黒縁眼鏡をかけ直し、再度手元の進行の原稿を書き上げる。
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