沈み込んだ3本の指をバラバラに動かしながら、目一杯に伸びきった穴を舌で愛撫し、ちゅくちゅくと吸いつき。反対の手を伸ばして、左胸の尖りを愛でる。 ときどき反対側にも手を伸ばして、円を描くように乳輪を撫で回すがそちらは、肝心の尖りには決して触れない。 過ぎる快感ともどかしさに、慶一の嬌声はもはや音にならなかった。 すぼまりに沈めた指も、胸を愛撫する手もそのままに、慶一に覆いかぶさるようにして、今度は耳を食(は)む。ビクビクと震える体を意に介さず、わざと音を立てながらねっとりと舐(ねぶ)って、ささやいた。 「慶一さん……、俺が欲しい？」 間断なく与え続けられる快楽に耐え切れずこぼれた涙で慶一の頬は濡れ、瞳は次の涙をたたえて潤んでいる。 「…ねがぃ、もう無理だ……」 絞り出すように漏らした慶一の言葉に、秋青の理性の糸はプツンと音を立てて切れた。 乱暴に慶一の体を返してぐずぐずにとろけた穴にあてがうと、ゆるんだすぼまりはいとも簡単に、秋青のものを根元まで飲み込んだ。 「はあっ、はぁ、はぁ、あっ、ふ……うっ……くっ、うぅ」 慶一の先端からは先走りなのか精液なのかわからないのもがとぷ、とぷっと漏れて、良すぎるのか上手く呼吸ができないようだった。 抱きかかえるようにして慶一の背をさすってやりながら、秋青もゆるゆると腰を動かすのを止められない。 「気持ちいい？痛くない？」 何度やめろといってもしつこいくらいに丁寧にほぐしておいて、痛いわけがないと慶一は怒りさえ覚えた。けれども、キッとにらんだつもりの目は、秋青には快感に耐えているようにしか見えなかっただろう。 事実体は正直なもので、今日はまだ一度も触れられていない慶一の陰茎は、先端からあふれたもので根元までとろりと潤んでいた。 「慶一さん、気持ちいいねえ。今日はこっちだけでいこうね」 亀頭の割れ目に沿うようにして人差し指でそっと触れては離れ、離れては触れ、あるかないかの刺激にもどかしく体を震わせる慶一を追い立てるように、後孔を穿つ速度を速める。 強すぎる快感に耐えられず、上にずり上がって逃げようとするので、肩を抑え込むようにして、慶一のもっと深いところまで、今度はゆっくりと自身をねじ込んだ。 「逃がさないよ？」 耳元でささやくと、慶一がひゅうっと息を呑み込むのがわかった。 それが合図だとでも言わんばかりに、慶一の体を抑え込んだまま何度も最奥を突き込む。 「やあ！やだ、あっ！あおぉ……、もうやめて……！」 体を繋げているときだけ、慶一は秋青のことを“あお”と舌ったらずに呼ぶ。 慶一を傷つけないようにギリギリのところで保っていた理性は、そこでついに尽きた。