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第4話
突き上げる速度を速め、さらに深く、深く。一際深く、強く突き込むとともに、それまで触れられることなく、じくじくと疼いていたであろう右胸の尖りをじゅうっと強く吸い上げると……。
秋青に体を抑え込まれてどこにも快感を逃がすことのできない慶一は、与えられるままにすべて受け止めて、全身を痙攣させながら果てた。
同時にすぼまりを痛いくらいに締め上げて、全部を絞り取ろうとする内壁の動きに、秋青は必死に耐える。
「……ん、はあ、ぁっ、はあ。……お…まえ、ふざけんな……」
しつこいんだよ、などと悪態をつく慶一だが、絶頂を迎えてもなお、いまだにいき続けているような快感に、ぴくん、ひくんとその身を震わせている。
ところが、秋青のものはまだしっかりと硬度を保ったまま慶一の中に沈められ、あろうことかそれが再び、ゆるゆると動き出す。
何してんだと睨みつける慶一に、いっそ清々しいほどの爽やかな笑みをたたえて、秋青が一言。
だってまだ俺、いってないんだもん、と。
「ばか、……ばか!もう無理だって、むり……むりぃ、もうやめて、ぉねが、とまって、とまっ、んっ、ふ……んん!ふぅ…ん……」
本当は自分もいきそうだったのを無理やり我慢したくせにどの口が、と、慶一の精一杯の制止の言葉は、まるで口腔を犯されるかのような激しいキスに絡め取られた。
それはやがて、なだめるような、やさしく甘いものに変わっていく。
「お願い、もう少し頑張ろ?……ね?」
そんなふうに言われたら、慶一が許してくれることを秋青は知っている。何だかんだ言いながらも、最後の最後で慶一が秋青を拒むことは決してないのだ。
あきらめたようにこわばった体の力を抜く慶一。
秋青はありがとうと愛しさを込めて、そのまぶたにやさしいキスを落とした。
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