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昼休み。 男子校の食堂は総じてこういうもんなのか、列になるなんて考えは毛頭ないアホどもが溢れかえるいつもの光景。 天気いいしコンビニ行こうかなあ。 「ゆーいと。帰んの?」 「わ、びっくりした。帰んないよ。コンビニ行く」 踵を返して昇降口に向かって歩いていたら、後ろからタックルみたいに凄い勢いで首元に巻き付いてきた涼ちゃんが、にこにこしながら俺もー、なんてついてきた。 いつ来たんだろ。朝は見かけなかったし今日は休むのかと思った。 さっき起きましたみたいなセットしてないサラサラの髪の毛は、先週俺んちで明るく染めたばかり。 いいなあ、俺も明るくしたい。 でも涼ちゃんは黒髪推しだから染めない。言わないけど。 「外あっちいよ。俺アイス食べたい」 「アイスは昼ごはんにならないでしょ」 「じゃあデザートにアイスも買う」 校門を抜けていつものコンビニへの道。確かに今日は日差しが強くて少し歩いただけでも汗ばんでくる。 春は一瞬だったなあ。ダイキライな夏の匂いがする。 「んっ、ふ…」 結局。 コンビニに寄ってお昼とアイスを買って、そのまま涼ちゃんち。 涼ちゃん授業1コマも出てないじゃん。何しに学校きたの? 「唯斗の口んなか、まだ冷たい」 「ん、涼ちゃんも」 ニヤっていやらしく笑う涼ちゃんが俺の腕を引っ張るから、あぐらの膝の上に乗っかった。 アイスで冷えた舌を押し付け合って、熱の奪い合い。 制服の下でムクムクと成長する涼ちゃんの欲。 態勢を変えるふりして膝でグイッと押してみると、それを合図に涼ちゃんの手がワイシャツの中に入ってきた。 「あっ、涼ちゃ、んん…」 「唯斗のチクビ、固くなってる」 「ふあ…っ、あんんっ」 カリカリ引っ掻くみたいに愛撫してくる涼ちゃんの指先が気持ちイイ。 いつもは子供みたいな涼ちゃんも、こういう時はオスの顔になっちゃって、俺には反撃の余地が無い。 顎を持たれてくちゅくちゅと舌を遊ばれたかと思えば、そのまま首筋に吸い付かれて、ゾワっと鳥肌が立った。 「可愛い。ベッド行こうか」 「ん、涼ちゃん。ちゅーして」 夏の日差しがカーテンの隙間から差し込んで体温をどんどん上げていく。汗ばんだ身体を押し付けあって、涼ちゃんが俺の欲を口に含んだ。

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