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悪魔の証明 3
「…………っいち、ん、……」
「敬吾さん今日感度むちゃくちゃ良いですね……」
ぞくぞくと這い回る熱に震えながら、敬吾は楽しげに笑っている逸の首から腕を下ろした。
抱きついていたい気持ちもあるがそれよりも、もっと逸に触れられたい。
それを知ってか知らずか逸はすぐに体を起こし、敬吾の肌を浚い尽くすように舐め、撫でる。
その度に敬吾は細く声を漏らした。
「もー、ほんっと可愛いなあ…………」
「あ、ゃ……」
「声でも感じちゃいます?」
限度を知らない悪童のように笑いながら、逸が持ち上げられていた敬吾の膝を開かせる。
チューブの蓋が開く硬質な聞き慣れた音が響くと、敬吾の表情が僅かに猥溶した。
「……ちょっと冷たいですよ」
「へーーー、」
更に悪どく笑うと、逸は敬吾の谷間を割り開き、チューブの口を充てがう。
すぐに敬吾の内腿が緊張し、腰を引かれる前にと逸がチューブを強く握った。
「っんーーー……!!!何っ、や、やーー……!」
「ああ敬吾さん上手……」
「っあ、冷た……っばか!」
聞くに耐えない音がして、冷たい口が離れる。
「っは、敬吾さんほんと上手、ちゃんと飲み込んで……」
「ばか!!冷たいー…!!」
「そうですか?熱くなってこない?」
「へ、」
「温感のやつだから。あったかくなりますよ」
「んっ……!」
乱暴に尻を鷲掴むと、こすり合わせるように逸が強く揉む。
今注がれたばかりの潤滑液があまりに淫猥な音を立てて、徐々に熱を生んでいく。
慣れない熱さがあまりに刺激的で、敬吾は暴れだしそうな喘ぎを必死で堪えた。
「ああエロい……、敬吾さんが自分で濡れちゃってるみたいです」
「っるさい、ばか………っあ!」
逸が敬吾の腰を丸めさせ、そこを高く持ち上げる。
その羞恥に敬吾の膝から下が暴れるが逸は気にも留めなかった。
それどころか気付いてすらいない様子で、溢れる粘液で濡れていく敬吾のそこに唇をつける。
「っ!!!!? やめろっ何してーーーー」
「んん……?」
「やだ!岩井、っ!舐め、るのはヤだーー……!」
「嫌だ?絶対?」
「やだ……!」
その言葉通り敬吾の表情から快感は垣間見えず、羞恥まみれで、泣き出しそうに赤い。
が、逸としてはその表情も燃料だ。
「ん、逸、やだってば……!」
「んー……」
「逸っ、……!」
「……本当に?震えてきてますけど」
「違う…………っ」
あまりに頑なな表情に逸が苦笑する。
「……じゃあまた今度、ゆっくり」
「ぁーーーー……!」
浮かせていた腰を下ろして中指を埋め込むと、敬吾が切なげに脚を体に寄せた。
むず痒いような感触で焦らされたそこがいつも以上に敏感で、体を張り詰めさせることでしか正気を保てない。
それをまた引きずり下ろして開かせながら、逸が指を往復させる。
豊潤に濡れ、熱を持ったその感触に逸はすぐに夢中になった。
「あ、あ……!逸っ、や、激し、すぎ……」
「っすみません、痛い?」
「いたくは……ないけど、あっ、ぁーー……」
「ちょっと……これ凄すぎて……」
「んッ!んっんっ……ぅ、逸っ!ダメ……」
「やばい指溶けそう」
「やっあっ、だめだってば、逸っーーーー……」
左手で敬吾の膝を割り開いたまま、逸は没頭してそこを注視し、激しく指を往復させていた。
敬吾の制止もまともに聞いておらず、その指が一層きつく締め付けられて初めて、
(あっ)
と、思った。
「んぅーー………………‼」
「っあ、敬吾さんーー、」
言った頃には敬吾はもう達していて、抵抗していた膝からも力が抜け、くたりと体を弛緩させて必死に呼吸をしていた。
あまりの恥ずかしさに、額に乗せた手の下から逸を睨んでみるも、逸は打てども響かないようなぼやけた顔をしている。
そしてそのまま。埋められていた指が中でぐるりと回された。
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