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彼の好み リベンジ 17
「ん、……っぁ、………」
逸の指が、焦らすようにゆっくりと中をまさぐる。
素知らぬ顔で弱いところを掠めさせる度、鼻にかかった甘い声が漏れた。
大きく上下する自分の胸の向こうにある逸の顔を敬吾が必死で見つめると、余裕たっぷりに敬吾の痴態を眺めていた表情が、突如引き攣る。
敬吾の指先が、立ち上がった逸のそれをゆるゆると撫で擦っていた。
「……敬吾さんーー」
逸が眉根を寄せ、僅かに口を歪ませて見下ろすが、敬吾の表情はそれより遥かに耽美的だった。痛ましいほど。
「………入れたいの?」
嬉しげに問うものの、敬吾は首を横に振る。
一気に困った犬顔になって逸が首を傾げると、今度は敬吾が笑った。
「………舐めたいの。」
「ーーーーーー」
「ん……………」
敬吾が逸の手首を取り、ゆっくりと自分の体から引き抜いていく。
濡れた音と鋭い声が漏れて、呆然とする逸の正面に敬吾が体を起こした。
そのまま頭を垂れ、その先端に口づける。
「っあ、敬吾さん………」
啄むように唇を落とされて、逸がぺたりと口を覆う。
毒々しく脈打って屹立しているものと、頂礼のように清廉な触れ方があまりにもかけ離れていて。
背徳感を孕んだ興奮が腹の底から湧き上がる。
それを知ってか知らずか、敬吾がそれを覗き込むように顔を上げ、ごく僅かに唇を開いた。
逸はまるでイコンの聖人でも見ている気分だったが、その隙間から覗いた肉が艶めいていて、欲に濡れているように見える。
「っーーー………」
柔らかい肉間が、ゆっくりと先端を飲み込んでいく。
ちらりと細まった瞳に見上げられ、逸は苦しく息を呑んだーーー。
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