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彼の好み リベンジ 16
乱れた合わせ目から、胸や内腿を撫でられ敬吾はただ瞼を俯けて早まる呼吸を零していた。
こめかみ辺りにある逸の瞳が愛おしげにそれを眺め、優しく髪を撫でている。
全く耐え難いほど甘ったるいーーーが。
それを理由に逸を叱りつけることが、もうできなくなっていた。
「ぁ………」
それどころかこんな甘い声まで漏れてしまう。
嬉しげに笑った逸が更に手を進め、指先で鼠径を擽ると敬吾が逸の袖口をきゅっと握った。
「敬吾さんここ弱いですよね、………」
「っや、……………っ」
「ーー敬吾さんほんと最近ーー ……嬉しい」
「…………?っなに、………っ」
快感に溶け始めた知覚の触手が、それでも不自然に飲み込まれた逸の言葉を拾い上げる。
気になる、とても気になるがーーー
「あ………っ」
「ひくひくしてる」
「ばかっーーーー」
「……ベッド行きたい?」
敬吾を覗き込んでいる逸の瞳はあからさまに意地悪げだが、弛んだ敬吾の理性の網はそれを素通りさせた。
素直に頷かれ、にやついた逸が機敏に抱き上げるとそれは流石に恥ずかしかったらしく気管あたりを一発殴る。
逸としては、それも駄々っ子のようで可愛いのだが。
ゆっくりと背中をベッドに預けられると、ひんやりしていて気持ちがいい。
心地よさそうに目を細める敬吾を見て逸は笑った。
「寝ないで下さいね?」
言いながらも優しく口づけるものだから敬吾の瞼は更に落ちる。
それを大事と見たか逸が敬吾の肩に手を差し込み、胸を晒してその先端を優しく咥えた。
途端に神経が覚醒し、敬吾の体が引き攣る。
「んっ!………………!」
舌先で転がしながら完全にはだけさせ、至るところ指先でなぞり上げる。
敬吾の体が張り詰めて縮まるのは感じ始めている証拠だ、嬉しくもあるのだがーーー
「……敬吾さん」
「っ、なに、っ……」
「今日我慢しなくていいんですよ?」
「………………?」
きゅ、とそこを甘噛みされて敬吾の背中が強く撓る。
叫びそうになった喉元が痛々しく張り詰めた。
また悪どく笑い、慰めるように優しく舐めてやって逸は体を起こす。
「誰にも聞こえませんからーー」
自分を見下ろし、腰紐を解きながら諸肌脱ぎにローブを落とす逸を見上げて敬吾は、背中に震えが走るような気がした。
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