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したいこと? 10

ーーいじめてやりたくなる。 わざわざ言いはしないがその胸中はしっかりと顔に顕れてしまっていて、逸はぞっとしていた。 ーーが、こんな顔はきっと誰も見たことはないだろう。 歓喜から背中に震えが走って、逸もまた笑っているような昂ぶっているような表情を浮かべた。 それにしても、両手が後ろ手に封じられているというのは思った以上に不自由なものだ。 敬吾に触れるどころか自分の顔を隠すことも肩を縮めることも出来ず、腕が腰に噛んでいるので姿勢にも無理がある。 その強張った体は快感もすんなりとは伝達してくれず、壊れたマリオネットよろしく引き攣れた。 徐々に湿り気を帯びる音も相まって、敬吾は大層楽しげに笑っている。 「………敬吾さん……」 逸が僅かに眉根を寄せて敬吾を見上げた。 その甘えているような表情と微かに開く唇が妙に淫靡だ。 あからさまなお強請りに、敬吾はからかうように啄むだけのキスで応える。 逸は必死に捉えようとするがやはり制限される体がもどかしかった。 その間も激しく擦り上げられ、僅かな身じろぎくらいしか逸には出来ない。 逸の呼吸が激しくなり、引き攣るように腹が蠢く。 伏し目がちにそれを眺める敬吾の睫毛を、逸は陶酔するように見つめていた。 それがふっと上がって視線がかち合い、逸が瞬く。 「いきそう?」 「ん、はい……」 逸が素直に頷くと、意外にも敬吾は焦らす様子もなく更に激しく扱き上げた。 苦しくも感じ入っているように歪む逸の顔を見下ろしながら今度はねっとりと往復させ、よく濡らしてやりながら、裏筋を擽り、鈴口を撫でくる。 「あー……敬吾さん、それやばい……」 「んー……?」 「えろい、きもちいい………」 素直にそう言う逸が可愛らしい。 遂げさせてやるべくそのまま擦り上げて吐き出させてやると、逸の顔はさらに耽美に弛緩した。 深い瞬きと呼吸が満足げで、敬吾が空いた片手で髪を撫でてやると一層心地よさげに微笑んで敬吾を見上げる。 お気に召したようで、なにより。 とは思うがーーーー ご奉仕は、ここまで。

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