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アクティブレスト 8
甘いものと激励で英気を養った面々は、篠崎と逸を筆頭によく働いた。
作業の進捗具合にも僅かな進展があり、行き詰まってはやる気と苛立ちが空回りしていたような状況に風穴が空いたようだった。
そこからきれいな空気が流れ出すようにするすると仕事が回る。
とは言えやはり、遅れを取り戻すまでには至らずーー
残業と打ち合わせで、逸はまた起きている敬吾には会えなかった。
シャワーを浴びてベッドに潜り込み、僅かに差す街頭の灯りで敬吾の寝顔を眺める。
髪に指を通すと、冷たく滑らかな感触が眠気を誘う。
(もうちょっと………… 見てたい)
ーーそう思ったことすら忘れ、逸はそのまま眠りに落ちた。
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