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狙いはクリスタルの・・・
クリスタルは今日も周りを気にしていた
あの日からいつも視線を感じる
どこに居ても何をしてても常に見られてる感じがするのだ
おかしい光学迷彩機能で姿が見えないハズなのに鋭い視線が俺を捉えて離さない
そうこれは狙われているのだ
身の危険いやむしろちんリウムの危機
素直に差し出すか?
イヤイヤ・・・変態レンジャーがそれは無いっしょ
つまりこの危機的状況をどうにかしなければならない
自室に籠っていても窓の外からの視線ドアの前の気配
気の休まる時間がない
これじゃぁ気が狂いそうだ
どうにかしなければ・・・
もしもあの人の前で機能停止でもしたらスーツを剥ぎ取られ裸にされ
あーんなことやこーんなことをされてしまう
想像しただけでも恐ろしい
とにかくパトロールが終わったら自室に籠るのが1番安全な気がする
何時どこで機能停止するか分からないしな
さぁ中庭を抜けてあとは自室へ直行の瞬間にタイミングがいいのか悪いのか
いやこの場合は最悪だ
機能停止の警告音が脳内に鳴り響く
「くっ・・・こんな所で」
自室まで十数メートルなのに
思考も恐怖すらも手放して機能停止しその場に崩れ落ちるを抱きとめたのはグレーではなくブラックだった
「あ・・・危なかったぁ。クリスタルはいつもこんな感じで倒れるのか?」
片膝をつき抱えるようにしてクリスタルを支える
機能停止しているので今はその姿がハッキリとわかる
なかなかに美形である
グレーが必死で守るのもわかる気がした
しかしブラックの目的は別にあった
ニヤリと笑みを浮かべて・・・
「では、いただきます」
両手を合しそう言うとブラックはゴソゴソとクリスタルの服を脱がし始める
手がベルトに掛かったその瞬間
スパーン
突然に後ろからハリセンで殴られた
そうグレーに見つかってしまったのだ
「何してるんですかブラック」
「痛いじゃないかグレー」
「何してるんですか!」
「見てわからないかい?」
「意識の無いクリスタルを襲ってるようにしか見えませんが」
「うん、そうなのだよ」
スパーン
再びグレーのハリセンがブラックを叩いた
「君にしばかれる理由がわからないなぁ」
「ブラックわからないとは?こちらが聞きたいのですが」
「フッフッフッそれはだねクリスタルとの秘密の計画なのだよ」
そもそもクリスタルとの秘密の計画なんてものは無い
以前からクリスタルの光学迷彩スーツが欲しくて1度交渉したが断られた事がありそれ以来ずっと隙あらば狙っていたのだ
そして抱えていたクリスタルをグレーに押し付け戦利品を高々と掲げて叫んだ
「はっはっはっ、クリスタルのパンツはいただいた。ふむ、クリスタルは紐パン派か、サイズはOKコレで私も透明化されるぞ」
得意気にいるブラックにグレーが一言放つ
「クリスタルのパンツにそんな機能はありません」
「・・・無いのか?」
「ありません普通のパンツです」
肩を落としため息をつくブラック
首を振りそして何事も無かったかのように立ち去ろうとしていたが
「パンツは返してくださいね」
渋々グレーにパンツを渡してぶつくさ言いながら去っていった
「何を考えているんだあの人は・・・」
ブラックがよからぬ事を考えてるのは何となく察しがつくがクリスタルを巻き込まないで欲しいと願うグレーだった
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