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2.魔術師の不在(3)
白いシャツから覗く白い肌に唇を寄せ、蓮亀は軽く吸い上げる。
裾から指が肌を撫で上げていくのを感じて、綺羅は声を上げた。
「あ…蓮亀、…蓮亀。ごはん、節子さんが…」
蓮亀は、困ったような微笑を浮かべ、綺羅の頬に口付けると瞬きをする。
「うん、ちょっとだけ」
「でも…」
「ごめん、止められなくて…。何でだろう」
頬から、首筋を舐め、蓮亀はその柔らかい耳朶に甘く噛みついた。
「…ンっ…ぁ、蓮亀…!」
一気に体温が上がったような、熱を感じて綺羅は仰け反った。待っていたように、蓮亀はその首筋に噛み付く。
「…!」
立てられた歯から、甘い快楽が全身に広がっていくような錯覚を綺羅は感じていた。
「…ゃ…あ、れん…」
首筋に顔を埋めた蓮亀が、熱く吐息を放った。
「甘い…、綺羅。甘い匂いがする」
言って、蓮亀が顔を上げた。
その瞳を見て、綺羅は息を飲んだ。
水色の輝きが、まるで鉱石の中の宝石が輝くように、薄茶色の瞳に紛れて輝いていた。
「蓮亀…あ…ぼく…」
自覚のないまま、『増やすもの』の力を使っていた。
生殖相手の雄として認めた者にだけ効力を出す媚薬のような能力。
「ごめん、蓮亀、また、僕…ん…」
謝罪を口にした綺羅の瞳を覗きながら、蓮亀は唇を深く重ねた。
「ん…ぅ……」
綺羅の小さい舌を翻弄して、蓮亀はシーツを握る綺羅の指を掴む。
いつの間にか、蓮亀は器用に綺羅を裸に変え、胸に、腹部に点々と薄紅い跡を残していく。
「あ…!」
反り立った綺羅の雄に、蓮亀が唇を寄せる。丁寧に舌で舐め上げられ、僅かに腰が浮き上がった。
音を立てて吸い上げる蓮亀の愛撫は、綺羅の羞恥を剥がしていく。
「あ…れん…、き…」
細い綺羅の両足を担ぎあげるように両肩に乗せると、小さな尻の割れ目をなぞり、蓮亀の指が綺羅の後孔を撫でた。
くるりと唇を撫でるように愛撫すると、ぬるりと指が入り込む。
「あ…!」
指の腹が、綺羅の弱点を探すように出し入れされ、共に濡れた音を立てて蓮亀が綺羅の雄を吸い上げた。
一本だった指は二本に増え、綺羅の体は無自覚に愛液を溢れ零し、抜き差しを容易にさせていた。
綺羅の胎内は蓮亀の愛撫を強請るように蓮亀の指を招き、吸い上げる。
蓮亀の指がある一点を突くと、腰を震わせ綺羅が悲鳴混じりの嬌声を上げた。
「だめ…っ、そんなことしたら、…出ちゃ…!」
白くなった視野で、綺羅はシーツを掴んで仰け反った。
吐き出した精は強く吸い上げられたまま、その柔らかな舌が痙攣する雄を優しく愛撫する。
視点が定まらぬまま荒れた息を繰り返すと、蓮亀がそっと視野に入り込んできた。
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