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第12話
「………蓮に手を出す事は止めてくれないか」
「………はあ~ ?…嫌だねって言ったらどうする?」
考えた末、俺は蓮には内緒で勇士に直接、頼みに行く事にした。
俺の頼みに、勇士はニヤニヤと笑いながら答える。
最初から勇士が頼みを聞いてくれるとは思っていない。
俺は唇を噛み締める。
「………でも、そうだな~。遥香が勇士の代わりにボクのモノになってくれるのなら、考えてやってもいいけど」
………ふざけるな!!
そう叫びたかった。
誰が………!!
でも、蓮に手を出さないのなら………。
悩んだ末、そう思い、頷いた。
「じゃ、裸になってそこのベッドに仰向けになって両足を抱えて足を広げて」
蓮以外の命令を聞く事と、命令の内容の屈辱感に唇を噛み締めながら勇士の命令通り裸になり、ベッドに仰向けに寝ると両足を抱える。
勇士の視線を感じるが、感情を殺す事に集中する。
(…何も考えない…何も感じない…)
「もっと足を広げて、ほら」
俺が抱えている足の膝を持ち、両足を思い切り広げる勇士。
俺の下半身は全て勇士の前に曝け出された。
目を閉じ、羞恥に耐える。
「ふ~ん、前も後も綺麗だね…全然、使い込まれた感じしないや……じゃ、使い心地はどうかな~……えいっ!」
勇士はいきなり人さし指を俺の中に一気に根元まで埋めた。
(……ぐ………っ!!)
その痛さに声を出すまいと唇を噛み締める。
「……えらくキツいね………もしかしてここ、使うの初めて?」
俺はこたえなかったが、勇士にはそれだけで分かってしまったらしい。
人さし指をいきなり俺の中に入れた時と同じく、俺の中からいきなり引き抜く。
「…へぇ~、そうなんだ…じゃ、俺が遥香の初めての男って事になるんだね」
ギクリとして勇士を見る。
覚悟して来たとはいえ、実際にそうなってみると恐怖を感じる。
勇士はズボンから自身のモノを取り出し、自分で扱いて勃起させている。
「私を勇士様の女にして下さいって言ってみて」
……………誰が!!
俺は唇を引き結び、勇士を睨みつけた。
「………生意気だね」
そう言うと、勇士は勃起させたモノを一気に俺の中に埋め込んだ。
「……………ぐうぅ……っ!!」
食い縛った歯の間から声が漏れる。
「…ボクに逆らうとどうなるか、教えてあげる」
俺の耳に囁いた後、勇士は結合したままの身体を起こす。
「………うぅっ」
結合した身体を起こした事でますます深く勇士のモノを身体の中に深く受け入れる事になった俺は苦しさに呻く。
「………直人」
呻いている俺にはお構いなしに勇士は直人に命令する。
それまで部屋で気配を消していた直人が近付き、俺の右手首と左足の膝を紐で縛り、左手首と左足の膝も紐で縛った後、馬に使う短い鞭を手にし振り上げ、振り下ろす。
ピシッ!!
「………ああっ!!」
鞭打たれる痛さに思わず悲鳴を上げる。
「…いいよ、直人、凄く締まる…もっと、もっと打って」
勇士の言葉に直人は何度も何度も俺の背中を鞭打つ。
俺は背中を鞭打たれる痛みに悲鳴を上げ、最後には勇士に言われるままに屈辱的な言葉を涙を流しながら口にする事になった。
「俺を勇士様の女にして下さい」
「勇士様の女になれて嬉しいです」
「俺の初めての男が勇士様で嬉しいです」
この言葉を何度も言わされ、勇士に犯されながら勃起しない自分のモノを勃つように扱かされた。
…結局、勃起する事はなかったけど…。
その俺の姿は直人に撮られていて、勇士に犯されながら自分のモノを扱いている姿が録画されている映像は勇士のお気に入りとなった。
その後、蓮を狙っているという言葉自体が罠だと知らされた時は、もう遅かった。
その映像と写真をネタに俺は勇士に脅され、勇士の欲望を吐き出す場所として使われている。
最初から勇士の狙いは、蓮の使用人である俺だった。
蓮を狙うと言ったあの言葉も、俺に聞かせるように言った言葉だったらしい。
後で気付いても、もう遅い。
-蓮の使用人が勇士の欲望の捌け口になっているなんて許されない。
蓮が家業を手伝うようになった時、この事はきっと障害になる。
本当は蓮から離れなければいけない。
それは分かっている。
………でも、離れる事ができない。
いつまでもこの問題を差し伸ばしにはできない。
分かっている。
分かっているけど。
せめて蓮が卒業するまで……………。
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