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3.後悔
「あなた、ちゃんと看板見ましたか?」
「そんなの見たに決まって…………。」
と途中まで言って黙り込んでしまった。
「その感じだと、看板も見らずに入ったみたいですね。」
何も言い返せない。確かに俺は看板を見らずに入ってしまった。しかし、こんなところにこういう店があると誰が気付くだろうか。いや、気付くはずがない。
『そうだ、こんなところに店があるのが悪いんだ。』
と自分を正当化していった。
こんなことをしても、何の意味も無いんだけどね。
「まぁ、せっかく来たんですし、何か飲んでいったらどうですか?」
こいつの言う通り、このまま帰るのも気が引けたので、飲み物を頼むことにした。
「あぁ、アイスコーヒーをお願いしてもいいか。」
「かしこまりました。」
それから数分後。
俺は、店の人の黒い笑みとともに静かに眠っていくのであった。
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