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4.目覚め
『怠い…………まだ起きたくない。』
こう言っている俺の身体と、起きなければいけないと言っている俺の頭の中。
互いの感情がぶつかる中、俺はなんとか重い瞼を開けることが出来た。
『ここは何処だ?』
目を開けて最初に思ったことがこれだった。
よく分からない場所にいる恐怖。
その恐怖に積み重なるように新しく現れる恐怖。
それは、俺の身体の自由を奪っている鎖だった。
動かしてもびくともしない。ただ、ガチャガチャと音が鳴るだけ。
俺はそれに焦って周りのことが見えなくなってしまっていた。
そう、俺に近づく謎の影に。
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