7 / 16

6.危機手前

「な…なぁ、これはいったいどういうことだよ…。」 「何がですか?」 「何がですかって、この鎖とか俺がここにいる理由とか色々だよ!」 俺が大声を出したのに少し驚いた顔をした後、突然笑い出しやがった。 「なっ、何が可笑しいんだよ!」 「いえ、つい可愛いなと思ってしまいまして………。」 「…………ふぇ!?」 小さい声だったけど、はっきりと聞こえたぞ。可愛いって………。こいつの頭はいかれてるのか? 「お前、ふざけるのも大概にしろよ!」 「ふざけるねぇ………。」 目が少し細くなった気がし、恐怖を覚える。 その時、突然動き出したこいつは俺の方に、一歩、また一歩とどんどん近づいて来た。

ともだちにシェアしよう!