8 / 16

7.抵抗

「こっち来んな!」 そんな俺の言葉が届くはずもなく、すぐ側まで来られた。 俺はせめてもの抵抗として顔を背けたが、その顔さえもあいつの方を向かされた。 「可愛い抵抗も良いですが、あまり私を怒らせないでくださいね。」 「そんなの知るかよ。俺が怒らせてるんじゃなくて、お前が勝手に怒ってるだけだろ。」 とつい思ったことを口にしてしまっていた。 今更しまったと思っても、もう手遅れだ。 「私を怒らせるようなことを言って、そんなに私のお仕置きが受けたかったのですか?」 「そんなことあるか!お前のお仕置きなんて絶対受けないし、お前のことなんてきr……。」 全部を言い切る前に、俺の口は手で塞がれていた。口を塞いだ本人は、少し悲しそうな顔をしながら、 「それ以上は言うな。」 とさっきまでとは違う口調で言った。 そしてゆっくりと手をどけ、俺から少し離れた。

ともだちにシェアしよう!