35 / 37
34
「んー!美味しい!」
「ほんと!」
「小町のコーヒーも美味しい」
お茶タイムなう。ものすごく美味しい!糖分補給もしているからこの後の仕事も頑張れるね!なんて現実逃避をしても仕事の量は変わらないわけで。机の上に山ずみになっている書類を目にするのが少しばかり嫌だ。
「このコーヒー今度新しく出るみたい。先に僕のところに送ってきたんだよ、お兄ちゃんが」
小町ちゃんの家は世界有数の、コーヒー豆を取り揃える専門の会社。今の社長さんは小町ちゃんのお兄さんの清少さん。ものすごいブラコ……げふんげふん。なんでもない。
「そういえば最近若葉 さんはどうなの?」
「んー、何か新しいブランド立ちあげるって言ってたー」
若葉さんっていうのは俺の母さん。有名なファッションデザイナーで、世界中を飛び回ってる。今の父さんとは外国で開かれたパーティーで出会ったんだって。ちなみに父さんは28歳。俺と11歳しか変わらないんだよね。ちょっと複雑。
「そう言えば、昨日中野先生が言ってたんだけど今日来賓の方が来られ「よーうーっ!」るって……」
バンって開いたのはもちろん皆さんご察しの通り生徒会室の扉。開けたのは………、うん。噂をすればなんとやらだね。
「何でこんなところにいるの、父さん!」
俺のダメ父、原田国彦 だった。
ともだちにシェアしよう!