34 / 37

33

俺らの学園には生徒会補佐という特別な制度がある。それは生徒会のメンバーが仕事をするのに自分たちだけでは出来ないときに、生徒会メンバーの次に成績のいい生徒を仮の生徒会役員にする制度。 俺らはちゃんと仕事をしていたから使わなかったけど、まさか自分が補佐として生徒会に戻るなんてね。 「羊くん、この資料お願い」 実はこの小町ちゃんは学年2位の成績の持ち主。本来なら俺と一緒に生徒会役員になるはずだったんだけど、俺の親衛隊隊長だったから役員を断ったらしい。 生徒会メンバーは各学年から2人ずつ選ばないといけないから、3年は会長とさあちゃん、2年は俺と学年3位のけんくん、1年はるきくんとあきちゃんというメンバーになった。これは中等部のときも同じ。 「小町、これなんだけど」 「あぁ、ここはこの時間帯に───」 あの日から4日。 あれから変わったことと言えば、けんくんと小町ちゃんが仲良くなって名前呼びになったこと。 仮とはいえ同じ生徒会役員なのだから仲良くしろって俺が言った。 じゃないと小町ちゃん、けんくんのこと書記様扱いだったからね。 「小町ちゃんー、そろそろお茶タイムー」 「そうだね。羊くんはいちごオレで剣一はコーヒーだよね」 「小町ちゃんよく分かってる〜」 俺甘党だからいちごオレ超好き。 いちごオレになりたいくらい。 「これ、親が送ってきたから食べよう」 けんくんが机の上に出したのは超人気の洋菓子ブランド、大手菓子メーカーGODのケーキ。 けんくんはGODの社長息子だからよくお菓子くれるんだよねー。

ともだちにシェアしよう!