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第3話※※

岬はまったくこちらの言葉に耳を貸さずに、また首筋にむしゃぶりついてきた。 ……嫌だっ。やめろって。 もう半年近く、岬とは寝ていない。 前に喧嘩して、怒った岬に危うく殺されかけた。セックスの最中に首を絞められて、意識を失ったのだ。そのまま出て行った岬に半日放置されて、意識は取り戻したが丸1日起き上がれなかった。 普段から、自分勝手な男だが、あの時の岬は正真正銘、狂っていた。 戻ってきて高熱を出して寝込んでいる自分を見て以来、岬は手を出してこなくなった。 綾は内心、ほっとしていた。 岬とはもう続けていけない。何年も前に、自分たちの関係は終わっている。 やはり無理だったのだ。最初から。 「岬っ。やだよ、やめてよ。もう、こんなことしないでよ」 「っるせー。くそっ、」 岬の熱い舌が首筋を舐め回す。じゅっじゅっと吸い付いて、痛いくらい歯をたててくる。 「岬っ」 「黙ってろ!」 シャツの襟を掴まれ、力任せに左右に開かれた。ボタンが弾け飛び、薄い生地がビリッと音をたてて破ける。 噛まれた首筋が熱を持ってジンジン痛む。無理やり暴いた肌に、岬は顔を埋めた。 こんな風にありもしない嫉妬に苦しむくらいなら、もっと大切に優しく抱いてくれたらいいのに。 岬は自分を狂ったように抱く癖に、決して愛してはくれないのだ。 無茶苦茶にもがく綾の手をうるさそうに払い除けながら、岬は胸の尖りに噛み付いた。 「痛っ、ね、岬っ、頼むからっやめ、」 大きな手が伸びてきて、口を塞がれた。 「んむぅ……っ、みさ」 もう一方の手が下に伸びる。 ジーンズのホックを乱暴に外している。 嫌だ。ダメだ。 こんな風に抱かれたら……壊れてしまう。 ホックが外れて、ファスナーが下ろされる。岬はすかさずトランクスの中に手を突っ込んで、綾の急所を握りこんだ。 「やっ、……っっっ」 力任せに握られて、鋭い痛みが走り抜ける。綾は死に物狂いで身を捩った。 「ここをしゃぶってもらったのか?ん?」 「っ、してないって!違うっ、」 股間だけじゃない。乳首を食いちぎるように歯で挟んで引っ張られる。 あまりの痛さに、生理的な涙がじわりと滲んだ。 「おまえは本当のことは絶対に言わないだろ。だから、身体に聞いてやるんだよ」 岬はくぐもった声で囁くと、指の力を抜いて、ソコを擦りあげてきた。 握りつぶされそうな痛みと恐怖の後でそんな風に優しくされると、身体は必死に快感を拾いあげようとする。 心は望んでいないのに、岬の指が作り出すまやかしの悦楽に、身を委ねてしまいたくなる。 綾は、抵抗を諦めて目を閉じた。 岬は、自分が何を言ってもしたいことをするのだ。抗えば暴力を振るわれて、結局は同じことになるだけだ。

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