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★22-1 なんか……声出るっ!【注:本命以外と】

「んっ……はぁ……っ……んッ! は……っん、んんっ……」  突然の深いキスに。  思わず離れようとした俺の頭は、うなじを掴む(かい)の手でガッチリとホールドされてて動かせなかった。  俺の口内で動く凱の舌は。  ねっとりと俺の舌をまんべんなく舐り。歯茎をなぞり、上顎を舐め上げる。 「っは……んっふ……あっ、ん……っん、か、い……まっはっんッ……!」  唇が離れる合間に言葉を発しようとするも。凱の舌に責め立てられて、息をするのがやっと。  口の中を激しく刺激され、ゾクゾクとする快感が湧き上がる。  不意に、凱が動きを止めた。  うっすらと目を開くと。薄茶の瞳はついさっきまでと違って、熱を持ったように潤んでるのが見える。 「鳥肌になんねぇでやれそー?」 「うん。お前のキス、気持ちいい……」  凱が微笑んだ。 「嫌なのも痛いのもしねぇから、押し倒していー?」 「倒せよ」  俺も笑った。  律儀に聞いてくる凱が微笑ましくて。ていうのは理由の半分。  深音(みお)とした時以上にキスだけで興奮する自分がおかしくて……が、もう半分だ。  唇が触れる前に出した舌を俺の口に差し入れながら。  凱が俺を後ろにそっと倒した。そのまま、さらに激しいキスを再開する。 「っはぁっう……ん、ふっ……っはっ……はぁっ……ん……」  今度は、俺も自分から凱を求めて舌を動かした。  舐めて、舐って、舐め回して、舐め上げて……お互いの舌を吸い上げ、口内を行き来する唾液はもうどっちのかわからない。 「はぁ……んっ、はっ……ん、あ……」 「んっ! あっ……っはぁ、ん、はぁッ……!」  凱の歯茎から上顎の奥へと舌をチロチロと這わせていくと、熱い吐息が落ちてくる。  そして、次の瞬間には。口の奥を熱い舌でつつかれ、ゾクリとした快感が背骨から下へ伝う。  ヤバい……俺、このまま続けてたら……キスだけで完勃ちしそう……頭、ぼうっとしてきたし……。 「將梧(そうご)……」  唇を離した凱が、俺を見下ろす。 「ほかんとこも、舐めるね。よかったら言って」  え……よかったら……? 嫌だったらじゃなく……? 「ひあっ……!」  いきなり首筋をペロリと舐められてビクッとした。  熱い舌が首を這い上がり、左耳の後ろを通って耳を一周して中へ。 「んっあっ、うあッ……! それっ……耳……はっ!」  凱が舐めるピチャペチャッて音が、ダイレクトに脳に響く。 「ぞぞってするッ……! なんか怖い……音がッ……う……あっ……!」  最後に耳に舌をチョロっと差し込んで、凱が離れる。 「よくねぇの?」 「うん……」 「じゃあ、やめとく。慣れたらいーかもしんねぇけどなー」  屈託のない凱の笑み。  いつもの調子でも、その瞳はエロモードになってる。  もちろん、俺もだ。  キスで引き出された快感への期待は、そう簡単に去りそうにない。  凱が俺の鎖骨を舌でなぞり、頭を下げて乳首をチュッと吸った。 「っあ……!」  舌先で転がすように舐められる乳首がムズムズする。 「そこ、くすぐったい……女じゃないんだからさ。そんなと……んあっつッ!」  急にジュッと強く吸い上げられた乳首に、ピリッとした痛みが走る。 「痛い?」  顔を上げた凱に聞かれて頷く俺。 「少し……」 「ここは男も感じるぜ。だからちょっと我慢な」 「え? うああっつッ……! いっ! 凱、まっ痛いってッ……うっあッ……!」  クチュクチュと、ひっきりなしに吸われる左側の乳首の痛みに加えて。右の乳首にもジクッとした痛みを感じた。  俺の抗議を無視して、凱が指で乳首をつまんでは捏ねくりかえしてる。 「っあッ! いっつ! もっやめッ……!」  いって……! 痛い……って!  痛いコトしないって言ったじゃん!?  両手を伸ばし、凱の髪をぐしゃっと掴んで引っ張る。  凱の顔が目の前に現れた。  責めを逃れた左右の乳首がヒリヒリする。 「それ痛いって! もう……」  遮るように唇を重ねられて、舌を入れられて。口内をやさしく舐め回す舌の感覚に、乳首の痛みが遠のいていく。 「っふ……はぁ、んっ……!」  キスが……気持ちいい。お前の舌もっと吸わせて……あっ。 「ごめんね」  目を開けて見ると、唾液で濡れた唇の片端を上げる凱。 「もう少しやさしくやる。気持ちよくなるから」  上体を起こした凱が、俺の両手をまとめて頭の上に押しつけた。 「何……?」  え? 手動かせないようにして何すんの……!?  視界から消えた凱の舌を、再び乳首に感じたのはその直後で。   さっきよりも弱く吸われ、周りを舐められ、またチュッと吸われる。口の中に入れて舌で弾かれ、唇で撫でられる。 「あ……凱。や……ひあっつッ! んッあっ……!」  凱の舌で舐られる乳首のヒリヒリする痛みが、段々とジンジンする鈍い痛みへと変わる。それはすぐに、腰がピクッと反応する刺激になって。 「っあ……んんっはっ……あっんッ!」  なんか……声出るっ!  あれ? なんか、ちょっと……気持ちいい……かも……? 「あ……んッ……っああッ! んんっ……」 「気持ちよくなってきた?」 「きた……けど、まだ……ジンジンする……」 「次こっち側ね」 「いっ……う……っつッ……!」  今度は左の乳首に吸いついて口に含んで舌で転がして、を。凱が繰り返す。 「んうっ……つ……」  痛みが快感に変わるのを、堪えて待つと。  ジンとする中に、ぞわっと身震いするような感覚が生まれてくる。 「ふ……ああッ! んっあ! あっ……んっ……」  自分でもわかる甘い声に恥ずかしくなる。 「痛くねぇだろ?」 「んっ……もう大丈夫……だけど……うあっ!」  凱が掴んでた俺の手を離し、左右両方の乳首をグリッとつまんだ。  左をそのまま指で潰すように捏ね回し、右は舌で舐り始める。 「っあ……んあっひあっ! んッ! ああっ……」  どうしても。声が上がる。  自由になった手を口元に寄せて、人差し指のつけ根を口に押し込んだ。 「んふ……ッ……ん……」  凱が動きを止め、俺と目を合わせる。 「声止めんなよ。聞かせて。興奮する」 「やだ……女みた……いじゃん」  いじられなくなってもまだ、乳首がジンジン疼いてる。  もっとしてほしいようなほしくないような……。 「そー?」  凱の指がぎゅうっと乳首ををつまみ、先っちょだけをカリカリと引っ掻いた。 「いあっああっん……あッ!」  そして。 「女じゃねぇだろ?」 「あ! やめッ……!」  バスタオルの中にもぐり込んだ凱の手が、俺のペニスをがしっと強く握った。 「もうこんな勃ってんだからよ」  言われた通り、キスと乳首への愛撫でガッツリ硬くなってるソレを。ゆっくりと扱き出す凱。 「やっ! そんなキツく握んな……あッ……!」 「じゃあ、口でやんね」 「は……!? ちょっ……!」  バスタオルを剥ぎ取り。  垂直より腹側に傾いた俺のペニスを、凱が無造作にくわえた。

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