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30-7 風呂へ

 その後9時まで。  テレビでクイズ番組を楽しむことにした。  特に見たい番組がない時は、クイズ系を見るに限る。  世の中、知らないことはまだまだ多いから、新たな知識を得るのはいいよね。役に立つ立たないは別にして。   出題されるたび、画面の中のゲストたちと一緒になって答えを予想する。  涼弥と俺の正解率は70パーセントくらい。 「これ正解したら、お願いひとつ聞いてくれるか?」  ラスト問題の前に、涼弥が言った。 「何?」 「当たってからだ。お前が正解なら、俺がいうことを聞く」 「二人ともハズレたら?」 「なしで。当たればひとつずつ聞いてもらえる。どうだ?」  何か、良からぬこと考えてるんじゃ……?  そう思ったけど。  こういうエンターテイメント的なのは楽しい。 「やろう。オールジャンルだから、運もあるよな」 「俺は今日、絶好調だ」  確かに。  まだ、問題を知らないのに、自信満々な涼弥。  CMが終わり。  問題が出た。 『エレスチャルクォーツと呼ばれるこのパワーストーンの和名は何水晶?』  画面にその画像が映される。    ビー玉みたいな丸いビーズ状の石が6個。透明の中に黒いつぶつぶっていうか、形にならない何かが入ってる。茶色のもある。紫のも。  プラス、黒と黄土色と透明で真ん中がへこんでゴツゴツした塊の石。  水晶なんだ? 何水晶か……。  ぜんっぜんわからない。  涼弥を見ると。  勝ち誇った笑み……! 「お前、わかるのこれ?」 「ああ。最近、ネットでパワーストーン調べたからな」  涼弥がそんな乙女チックなもの……何故。どうした。頭、お花畑か? 「俺、降参。答え教えて」 「合ってたら、いうことひとつ聞くか?」 「……約束だからな」 「骸骨(がいこつ)水晶だ」 「は……? ガイコツってドクロ?」 「そうだ」  画面4分の1に映ってるビー玉モドキを見る。  どこもガイコツじゃないじゃん……?  ハズレかもよ?  結果は。  正解。ガイコツ水晶で当たり。  運は涼弥に味方した。  そして、ご機嫌な様子の涼弥と……風呂へ。  湯船には、湯を半分ほどはった。  普通の家の風呂場は広くない。湯船も。たっぷりお湯入れても、二人で入ったら溢れるからさ。  洗面所で服を脱いで、涼弥と二人で風呂場に。  自分の裸見られるのは、あんまり気にならないけど。涼弥の裸は、好きな相手の裸は普通にドキドキする。  でも。今までにだって裸見たことあるし、ペニスなんてさっきくわえてもいるのに……。  ドキドキ、プラス、ソワソワ……どうしたって、落ち着かない。  何故なら。  涼弥のが、何もしてないのに半分勃ってるから……!    エロモードのペニスは、やっぱりすごい存在感で。しかも、涼弥ので。俺に欲情してるからで。  デカいし。  当の涼弥はまるで気にせず。少なくとも、自分のは。  風呂イスに座って、まずはそれぞれ頭を洗った。イスが2つあるのは、二人で入浴する両親のおかげだ。  ある程度身体を洗ったあと、俺を見る涼弥に笑みを向ける。 「背中洗うよ」 「頼む」  髪を雑に縛ってまとめた涼弥の、うなじから腰まで。背中をゴシゴシと手ぬぐいで洗う。  広いな。何食ってこんなデカくなったんだ? 背だって、小3頃まではほとんど変わらないくらいだったのに。 「ほかにどっか洗ってほしいとこあるか?」 「いや。後ろ向け。お前も洗ってやる」  俺はいい。  言おうとしてやめる。せっかくだから……って。この言葉、便利だよね。  欲求を自分の意識から隠せる感じ。 「ん。サンキュー」  ゴシゴシ。ゴシゴシ。ゴシゴシ……ゴシ……。  スルスル。ヌルヌル。スル……ヌル……。 「おい。何で素手で洗う?」  ヌルッ……! 「っう……! や……くすぐったっ……」  背中を擦る涼弥の手が腰に回り、くすぐったさに身が跳ねる。  振り返った俺の目に、うかされた涼弥の瞳……熱でなく欲望に。 「触りたい」  言うなり。泡でヌルヌルの両腕で後ろからギュッとしてきた涼弥の手が、俺の腹から下じゃなく上へと滑る。 「やっまっ……んあっ……!」  乳首……いじるなよ……! 「涼弥、やめろ……」 「お願い、聞いてくれるんじゃないのか?」 「な……に?」 「お前のここ、好きにさせてくれ。気持ちよくしたい」  耳元に熱い息。涼弥の指が俺の両乳首をキュッとつまんだ。 「つッあ……何で……いいって知ってる……んっ……!」  涼弥も、誰かにされて気持ちよかったから?  誰かにしたら、喜んだから?  あー俺もされたことある言い方だったな今の……。 「いッつっ……!」  グリッと捻られて、乳首がビリッとする。  俺を見る涼弥の眉間に皺……もしや、自分だけ嫉妬してるのか……!?  でもきっと。お互いさまなことわかってるから、スルーなはず。 「強いと痛いって……お前のお願い、それでいいのか?」  これで済むなら、まぁ……いいかな。 「ああ。こっちは一回やっていいんだよな?」  涼弥の右手がするっと動いて。ヌメる俺のペニスを握った。 「っうあッ! 今そこやめっ……くっ……!」  ヌルヌルの泡効果で、扱く力は弱まってる代わりに。スムーズな動きが絶妙な刺激でヤバい。 「流してから!」  俺をまさぐる両手を掴み、涼弥をジト目で見る。 「お前、こんなエロかったか? 盛り過ぎだろ?」 「これでも抑えてるんだが……マズいな。お前の嫌がることやっちまいそうだ」  涼弥の瞳が。今ちょっと捨て犬っぽくて……ダメだ。やられる。 「あー……大丈夫。いったん落ち着こう」  身体の向きを変え、シャワーでお湯を出す。 「湯船浸かってさ。流すから立って」  涼弥は素直に腰を上げた。  シャワーで泡を流しながら、股間に目を向ける。服を脱いだ時から勃起してたペニスは、さらに質量を増したみたいで。 「なぁ……それ、ほんとにつらくないのか?」 「今日はお前といて、ずっとおっ勃ってる。気にするな」  いや! めっちゃ気になるだろ! 「出したくなんないの? フェラするか? 今日は……何度でもしてやる」 「將梧(そうご)……」  瞳の奥を覗かなくても、望むことはわかった。  シャワーを止めて。  風呂イスに座ってちょっと屈み、涼弥の腰の高さに顔を合わせる。 「俺も、今日はもうエロくていい。我慢しないでイケよ?」  目の前に突き出された熱いペニスに、かぶりついた。

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