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★31-3 何でイカせてくんねーの!?
「っあッ、はっ……くッ……んんッ……」
乳首からの快感が届くペニスを、涼弥のに擦りつける。カウパーが垂れて、いい具合にベチョベチョになったそこは……ズリュズリュと卑猥な音を響かせて、快楽を求めてる。
「將梧 ……イキそうか?」
イエスっつったら、ペニスから手離される!
「んっ……まだ、もう、ちょっとっ、あ……」
まだっつっても同じかよ……!?
昨夜と同様。
固定の手を失くしたペニスは横にズレて、摩擦面がガクンと減った。
でも。
今日動いてるのは俺だ。
浴槽についた右手を離し、2本のペニスを自分で重ねて握る……指は半分しか回ってないけど、押さえてはいられる。
「っあッくッ……はっ……涼弥っ……あッ……!」
止められる前に登り詰めようとした。けど……もう少しのところで。
スピードを上げて腰を振る俺のもくろみを察知した涼弥が、俺の腕を掴んでそれを阻止。乳首をいじくってた指も離した。
集まった快感にペニスの根元がジンジンして……つらい。
「っはッ……なん、で……イカせてくんね……の……!?」
細めた目で涼弥を見つめる。
困ったような瞳で見返されても……。
答えろよ……!
「その瞳……見たくてな。お前が俺を、ほしくてたまらねぇって顔」
「見てるじゃん……今! お前だって、イキたいだろ……!?」
「イッたら終わっちまう」
「これが最後じゃないって……ずっと……一緒にいる気、ない……のか!?」
「一緒だ。離さねぇぞ」
「じゃあ……これで終わりなんて、あり得ない」
これでくれなきゃ、泣く。
「ほしい……涼弥……気持ちよくして……イキたい……今すぐっ」
身体と唇を、ぶつけるように合わせた。
涼弥の舌を見つけて吸い上げて、密着させた腹に挟まれたペニスを擦るために腰を振る。
「ッふ……んッ! ッ……んん……っあ……んッ……はぁッ……!」
酸素が足りなくなって口を離すと、ぎゅっと閉じてた目を開けて涼弥が喘ぐ。
「うっ……將梧……っくッ……」
俺の腕を放した涼弥の手が、胸と胸の隙間に滑り込んだ。
乳首を強く、捻り潰す勢いで強くつままれる。
「いッ……つッ! あッ……りょう、や……ひあッ……!」
上体を引いたところへ。涼弥のもう片方の手が重なるペニスをわし掴み、そのまま扱く。
何度か上下した手のひらで、亀頭の先っぽをヌチャヌチャと撫でられる。止めようもなく、俺も腰を揺らす。
「んッ、あッいいっ……あっんんッ……!」
尿道口を、指先でグリグリとなぶられて。
「っあッもうっむ、り……んあッ……イッちゃ……うあ、やあッ……!」
「っく……將梧っこっち、見てイケッ……俺も……あッつッ……!」
「あッ……いいッイクッ……! んッああッああ……ッ……!」
腹にかかる精液が熱い。
「っあ……んッ……」
ドゥピュッっと射精しきったペニスを絞るように、もう一度ぎゅうと撫で上げてから、涼弥が手を放した。
涙目の俺に、眩しそうな瞳を向ける涼弥。
はぁはぁと二人で荒い息をしながら、見つめ合う。
「大丈夫か……?」
「大丈夫……だけど」
「気持ちよかったか?」
「よかった。けど……」
満足げな涼弥をジト目で見る。
「お前……Sの気あるの?」
「エス……サドの気はない……と思うが……」
心外だとばかりに、涼弥が微かに眉を寄せる。
「お前を痛めつけたいなんて、思ったこともねぇぞ」
「うん。でもさ。イキたいのにイカせてもらえない俺、見たいんだよな?」
「そりゃ仕方ないだろ。そん時のお前がエロいからだ。もっとエロくして見たくなる」
口を開けたまま、次の言葉を探す。
イケなくてつらい顔がエロいって……。
お前の主観……それがもうS寄りなんじゃないの……!?
痛いことしなくても!
「將梧」
涼弥が俺をグイッと抱き寄せる。
「嫌いにならないでくれ」
耳元に涼弥の懇願。
おととい、このセリフ聞いたよな。
『俺がどんなでも、嫌いにならないでくれ』
俺、今……またそんなこと言わせるような顔しちゃってたか?
ちょっと怯んだのは、ほんとだけどさ。
涼弥がどんなでも、俺への気持ちは確かにあって。俺にも涼弥への気持ちがあるから。
怯むのは……なんだかんだ言いながら、喜ぶこと受け入れちゃいそうな自分に……だ!
「ならない。だから……」
肩を掴んで、涼弥の顔を上げさせる。
「今度する時は、あんま焦らすなよ。つらい」
「……かわいいな」
ウットリ気味の瞳で言われ。
聞けよ!って思いを込めて、涼弥の唇を軽く噛んだ。
うっかりまた快楽を求めたくなる気持ちを抑え、シャワーで全身を洗い流した。
心は満たされてたし。脚がしびれてたし。涼弥も、もう一回抜きたいオーラ出さなかったし。この24時間たらずの間に、ガッツリ3回も出してるし。
涼弥は4回も。連日抜いてるって言ってたしね。
よくそんな出すもんあるよな?
まぁ、溜め込むよりは健康か。
リビングに戻ったら、1時近かった。
スポーツ飲料を喉に流し込み、一息ついて。濃密だったお泊りイベントも終了の時間だ。
「そろそろ行くか?」
ソファで涼弥の髪をドライヤーで乾かし終えて聞いた。
「ああ。ありがとう」
「1年くらい髪伸ばしてるよな。ロン毛、気に入ってるのか? 面倒くさくない?」
「もう切ってもいい」
後ろに立って髪を撫でる俺を見上げて、涼弥が笑う。
「お前が手に入ったからな」
「は……?」
「フラれるか、うまくいくまで伸ばしてただけだ」
「それ……願掛けってやつ?」
また乙女チックな……。
「らしいな。実花にすすめられてやってみたが、叶ったってことは効果アリか」
そうか。これも妹の影響なのね。
「短いほうが好きなら、すぐ切るぞ」
「お前はどっちがいいんだ?」
「髪はどうでも……お前の好みでいい。だが……」
あやしげに光る、涼弥の上目づかい。
「そうだな。切るなら3週間後……お前とやってからにする。どうせなら完全成就までだ」
「なぁ……」
機嫌いいとこ水差すようでごめん。でも言わせて。
「俺もお前とやりたいって思ってるけどさ。不安もあるから……最初のうちはノーマルなのにして。焦らしプレイとかしないで、手加減しろよ?」
「安心していいぞ。焦らさないでほしいだけやる。楽しみにしとけ」
期待を込めた瞳で見つめられ、いや増す不安にゾクリとなった。
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