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★44-1 前戯

「じゃあ……まず、要るもの……」 「うちにもあるぞ」  バッグを開ける俺を見て、涼弥が必須アイテムを置いた机へ。 「うん。でも、それは今度な。俺、使いかけの持ってきちゃったからさ」  取り出したローションとコンドームを、ベッドの枕元らへん…ティッシュの隣に設置。 「あと。お前に使ってほしい道具……あるなら出して。一応」 「俺にか?」 「うん」 「ない」  あ、そう……あるのは全部、俺用か。 「見せる気はないんだな?」 「……見せたらひとつ使っていいなら、見せてもいいが……」 「やっぱいいや。見ないでおく」  出すのにそんな引っ張るもん……今、涼弥の目に映すのはよくない気がする。  見なきゃ、ないのと同じ。存在しない。  よし。忘れよう。 「將悟(そうご)……」 「とりあえず、座ろう」  先にベッドに腰かけると、涼弥もおとなしく隣に座る。 「さっき、ほとんど経験ないって言ったじゃん?」 「ああ」 「やる前にその話する余裕あるか? お前と悠の……」 「ない」  即答。 「今日1回やってからにしてくれ。もう1回……お前見てから……」 「見てるだろ」 「……俺がほしくてたまんねぇ顔だ。俺以外要らねぇって顔……もう、待てねぇ」 「わかっ、ん……!」  すでに見慣れた短髪の涼弥の瞳が、近づいてきたと思ったらキスされて。 「まっ……んっ……ふ……っ……んん……!」  合わせた唇はすぐに開き、口内に差し込まれた涼弥の舌が性急に動く。その感触に誘われ欲情し、舌を絡めて刺激を求める。  上顎の裏をレロレロ舐めると、涼弥が熱い息を漏らし。俺のうなじをガシッと押さえ、より強く舌を舐ってくる。  もっと、もっと……感じたい。感じさせたい……。 「っは……んっ……りょう……や」  激しいキスを終わりにすべく、涼弥の前髪を掴んで引き離した。 「服脱げよ……いや。俺が脱がす」  羽織ったシャツを涼弥の肩から外し、袖から腕を抜く。涼弥は俺を見つめたまま。俺も、涼弥の瞳を見つめてる。 「將悟……俺がほしいか?」 「ほしい。早く……けど。今日はゆっくりな」  涼弥のTシャツをたくし上げ、首元まで引っ張って。立ち上がり、脱がせる。  座ったままの涼弥の正面から膝の間に入り込んだ。 「俺が攻めるから、手出すなよ」 「ああ」  素直に頷く涼弥に微笑み。膝立ちになって、眼の前の裸の胸板を撫でる。 「2週間……どうだ? 痛まないか?」 「全然大丈夫、だ……つッ」  乳首をつまんでコリッと捏ねると、ベッドについた涼弥の右手が反応して浮いた……けど。  俺を止めることなく戻されるその手に安心して、もう片方の乳首に舌を這わせた。つまんだ乳首は、指の腹でやわく撫で続ける。 「ここ、お前も気持ちいい?」 「いい……お前に舐められりゃ、どこでも……うっ、あ……」  軽く甘噛みして、涼弥の乳首に吸いついた。  身体はデカくても、ちっちゃいなーコレ。  人間が進化するか、薬が発明されるかもしれない未来はどうか知らないけど。  今、男の乳首から乳は出ないし、特に使いどころがないってことは純粋に……快楽を得るためだけにあるよね?  だからさ。  涼弥のコレは、俺がこうやって気持ちよくしてあげるためにある……!  乳輪の舌触りはなめらか。突起部分は……硬くなってきた? 乳首も立つんだっけか?  くるくると丸く舐り、口の中に含んだ乳首を舌で弾き。チュプチュプと吸ってはチロチロと先端を舐める。  左右を入れ替えながら。繰り返すうちに荒くなってきた涼弥の息遣いに興奮する。  俺にいじられてプクッとなってる乳首がかわいい。  男の身体の中で、こんな小さくて繊細なとこってほかにないよな。 「ッ……んっ……は……將悟……くッ……もう……」 「こっちやるか?」  スウェットの上から、涼弥のペニスを触る。  もう布を押し上げる角度と硬さだ。 「あ……ッ……けど……イッちまったら……」 「すぐまた勃つだろ」 「このまま挿れるより、長くもつぞ」  う。それだと俺……平気、かなぁ……? 「俺はお前を何べんでもイカせたいが……」 「でも、イキたいだろ今?」 「そりゃ……」  騏乗位で、うまく涼弥を気持ちよく出来るかわからない。  迷う余地があるくらい、フェラも好きなら……。 「ん。じゃあ、立って」  言う通りに立ち上がった涼弥のスウェットとパンツを、引き下げて脱がせる。  勃起したペニスは……やっぱ猛々しいな。 「ベッドに横になれよ。しゃぶる」 「お前は服、着たままか?」 「あ……脱ぐよ」  笑みを浮かべた涼弥がベッドに上がり、寝転んで俺に視線を向ける。  パーカー、Tシャツ、チノパン、パンツ……と脱いでく。  涼弥にガン見されながら。  それは恥ずかしくない。緩く勃ってるのも、恥ずかしくない。  ほしい相手が裸で待ってて、俺をほしがる瞳で見てる。  期待でゾクゾク……興奮しかない!  涼弥の脚の間に位置を取り、張り詰めたペニスをそっと持ち上げた。 「っは……將悟……俺もしゃぶりたい」 「ダメだ。今日は俺がやるの」 「跨いで、一緒に……」  跨ぐって顔? シックスナインってやつ……? 「嫌だ。集中出来なくなる。またいつかな」 「……今日、2回めの時は俺が動くぞ」 「ん。いいよ。でも、今は俺」  肘で支えて頭を上げてる涼弥と目を合わせたまま、ペニスの先にチュッとキスして。根元から裏筋を舐め上げる。 「あ……くッ……!」  カリに沿って舌を這わせ、亀頭をまんべんなく舐め回してから口に入れた。  カウパーの塩気を味わいながら尿道口をつつき、シャフトを唇で扱く。 「っう……あっ、そう、ご……」  涼弥の口から漏れる息と掠れ気味の声を聞きつつ、あったかい肉を舐めて吸って、ジュバジュルとかわいがる。  見た目はかわいいモノじゃないけど、しゃぶってるうちに存在がかわいくなってくる……こういう恋効果こそ、グロいよね。 「もう……我慢出来ねぇ……っあ……」 「イケよ」  口に入りきらない部分をギュッと握って、舌と唇と手でペニス全体を刺激する。 ジュジュッと吸い上げて、吸いついて。  ついでに、睾丸も揉みしだいてラストスパート。 「うッあッ出る……くッ……あッ……ッ!」  快感に眉を寄せてイク涼弥が顎を上げるのを見て、満足。同時にペニスがビクッとして、喉に精液がぶつかってきた。  やっぱり苦くてマズい。けど、悪くない。  口の中に隙間があんまないせいでこぼれそうになるその液体を、気をつけて飲み下す。  で、そのあと。  大して縮んでないペニスを、味がなくなるまでって舐めてたら。 「はっ……將悟……放せ……」  腹筋で起き上がった涼弥に、肩を掴まれ引き剥がされた。 「気持ちよくイケたか?」 「ああ……俺もお前の……」 「いい。上でやるのに体力温存しとかないと」  ニッと笑う俺を、涼弥が抱き寄せる。  まだ少し荒い息遣い。少し速い鼓動。少し湿った胸。熱さは一緒だ。 「マジで俺に乗るのか」 「うん。うまく出来なくて頼むまで、下から突くなよ」 「俺がすることはねぇのか?」 「うん。やれるだけやらせて」 「……自分で解すのか?」 「え……あ……」  そうだ、アナル……!  涼弥に動くなって……ことは、自分で指入れて……?  たぶん、出来はする。(かい)の解したし。自分の……は、見えないけど指届くし。  でも。  涼弥に見られながらはノーだろ……!?

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