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★44-2 ここはがんばる

「お前が、自分でそこいじるの見んのも……たまんねぇな」  珍しく意地悪げに見える涼弥の笑みに。  やっぱお願い、やって……って、言っちゃうか!? 「涼弥……」 「無理なら、俺が解してやるぞ」  いや。  ここはがんばる、か……?  セックスは二人でやるもんって感覚を、涼弥に。  自分だけのせいで飽きるとかつまんないとか、変に思い込ませないように。  涼弥が動いても俺が動いても。どっちがでも、どっちもでも……二人だから楽しくて気持ちいいって、ちゃんとわかってもらわないとな。    それプラス。  適度に、程よく、身体にやさしいセックスをするために。  せめてこの今日1回目は、俺主導でやらねば……!  だってさ。  2回目、あるじゃん絶対。俺が動くって涼弥言ってたし。  ずっと攻め続けられたら俺、家帰れなくなるわ。 「大丈夫。自分でやる……けど。これ以上無理ってなったら、頼むな」 「……わかった」  涼弥がちょっと意外そうな顔をして、微笑んだ。  そのまま、あぐらをかいて膝の間で手を組んで……見物の姿勢に。元気なペニスも、入り口開くの待ってる感じ。  え……こんな真正面でやるの?  丸見えじゃん……! 俺は見えないのに……!  涼弥がローションを無言で渡してくる。  「ありがと……」  ズリズリと尻をずらして、涼弥から遠ざかる。  つっても、ベッドの上。大した距離は取れず……意味ない。むしろ見やすくしたかも。  何気に後ろ向きになるとかは……。 「ちゃんと見せてくれ。全部」  やさしげに。静かな声で、涼弥が言った。  ダメなのね。  羞恥心はあれど。  ペニスは萎えない……てより、すでにガチガチ。  涼弥にフェラしてイカせて、欲情しまくりだ。  ローションを左手のひらにトロリと注ぎ、右手ですくってアナルへ。まだきちんと閉じてるアナルの襞に塗りつける。  ひやっとするも、自分の体温ですぐにぬるまる粘度の高い液体を……アナルの入り口のすぼまりに集めて籠める。  もう一度。  今度はローションごと、中指をつぷりと中に差し入れる。 「あ……」  変……な感覚……これ、指とアナル両方の感触が同時だから……か。 「んっ……はぁ……」  指を根元まで進めて息を吐いた。  少しずつ指を動かして、入り口を広げてく。  アナルは痛くない。  指の根元はきゅっとなってるけど、中はやわらか。液体の粘土とかスライムとかそんなもんに指突っ込んでるこの感じは、唯一知ってる(かい)の中と同じ……。  なんだけど。  触られてる感に気取られるから、解すのに集中出来ないよコレ……!? 「っあッ……!」  指の根元で襞伸ばす動きしてたら、痺れる快感が奔った。  そうだ。前立腺……触らないようにしないと。 「將悟(そうご)。気持ちよくなっていいぞ」  熱い視線でガン見する涼弥の言葉に、顔がほてる。 「いや、いい。とにかく解す……」  ローションを足して、指を2本に増やす。 「ッ……う……」  声、抑えたい……のに。  意識しちゃって、よけい感じるっていうか……。 「っあッんッ……はっ……」  指があたる……しこったとこ……マズい……。  でも……。  指って丸まるじゃん?  手のひら側にしか曲がんないじゃん?  自分でやる場合、前立腺あるほうに指曲がるしかないじゃん……!  しかも、2本入れてるから……あたる確率アップ。  解すには、けっこう動かさなきゃなんないし。  アナルの口まで指先を戻して。  人差し指と中指を離して回して、広げる。とにかく広げる。  入り口さえ解せば、中身はペニスを受け入れられる……はず。  クチュクチュって音、エロいよね。それしか音がしてないから、なおさら。 「解れてきたな」  涼弥から、俺のアナルはよく見えてる。  だから、そうなんだろう。自分の感触でも、そう。  3本目。  薬指をピッタリ添えて、中に……。 「っく……う……はっ……」 「大丈夫か?」 「ん、平気……」  キツい……指が? アナルが?  わかんないけど、あとちょっと……。 「ふ……あ……んっ……あッ……! んッ!」  ペニスの根元にビリっとくる刺激に、腰がビクッとなる。  硬い場所に触れてる指離すと、ほかの指があたって……気持ちいい。気持ちよくなるつもりはないのに、勝手に身体がよがる……ヤバい。  コレじゃ、オナってるみたいになる……! 涼弥の前で……!  早く解しきらなきゃ……。  ググッと指を押し込んで、そろそろと小さく回す。 「あッ……くッ……! はぁっ……んっ……」  何度か3本指を抜き差しし。 「は……涼弥……もう、入れそうか……?」 「いいのか? イカなくて」 「いい。もう……」  クチュリと指の束を抜いた。 「お前の挿れたい。挿れさせて」 「来い」  目を眇めて俺を乞う涼弥のもとへ、四つん這いで行く。 「横になれよ」  言われた通りにした涼弥の。腹につくほど勃ったペニスは、カウパーでびしょ濡れだ……俺のもだけど。 「ゴムつける」  いつの間に用意したのか。箱から出したコンドームをひとつ、俺に差し出す涼弥。 「今度……生でやりたい」 「ん……今度な」  なんとなく。  直腸の奥に精液をぶちまけられるのって……背徳的で興奮しそう。直に涼弥と触れ合うのにも惹かれる。  ただ。  もう少し、慣れてからね。 「は……気抜くとすぐ、イッちまいそうだ」  ギンギンのペニスにゴムを被せるのに、ちょい手間取った。  サイズにゆとりないし。根元のとこ、巻き戻って毛が挟まったりするし。  でも、完了。  ローションをたっぷりなすりつけて。  膝立ちで進んで真上に……垂直に立てたペニス、高さギリギリ。  ていうかさ。  俺のアナルの中、コレ全部入る深さあるの……!?  脱力して膝滑らせたら、奥……めり込まない? どっか突き破っちゃわない? 「なぁ……おとといやった時、お前の根元まで入ったか?」 「ああ。最初はちょっと手前でやめてたが、最後には全部挿れてたぞ」  いざってところで質問されても、ちゃんと答えてくれる涼弥。 「行き止まりとかなかった?」 「あった。そこ突くとよがったからガンガンいったが……痛かったのか?」 「ううん。なら……大丈夫」  痛くなかった。苦しかったけど……内臓圧迫感が。  でも、そこ……それが快感だった。 「じゃ、挿れるな。もし、お前がよくなかったら言って」 「いいに決まってるだろ」 「よくてもイケる感じじゃなかったら……お前に動いてって頼むからさ」 「頼まれたらいいんだな?」 「うん」 「イクまでやめらんねぇぞ」 「う……ん。その時は、やめなくていいよ」 「將悟」  欲情に光る瞳で、涼弥が俺を見つめる。 「早く来い。お前がやれる限り動かねぇ。安心しろ」 「ん……してる」  垂れ落ちたローションをすくい上げ、ペニスの先端に落とし。アナルにあてて体重をかけた。

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