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★44-3 なら動け、気持ちよくなれよ

 シッカリ解したはずの俺のアナルは、涼弥のデカい亀頭を飲み込むのに苦戦……てか、挿れられる気がしない。  おっかなびっくりやってるからか……って。  怖いんだよ……! 裂けそうで……!  自分で挿れるのがこんなに大変とは思わなかった。  度胸がねーのか俺。口だけか。 「將悟(そうご)……」  涼弥がつらそうに見える。  そりゃそうだよね。  ガッツリ肉に包まれて擦られたいのに、先っちょだけふにふに触られてるのと同じだもんな。 「ごめん……もうちょっと……」 「起き上がっていいか」 「……うん」   勢いつけて上体を起こした涼弥が笑った。 「とりあえず、座れ。疲れるだろ」 「甘やかすな」 「悪いか?」  言って、涼弥が俺の肩を掴んで腰を下ろさせる。 「んっ……」  腿の上らへんに尻をつけた俺のペニスが、涼弥のにあたった。 「お前もギンギンだ」 「早く挿れたい……のに。ごめん」 「キスしてくれ」  頼まれるまでもなく。俺もしたい!  下ろしたばっかの腰を上げ。涼弥の首に腕を回し、唇を重ねる。  開いた口の中に舌を入れ、涼弥のそれに吸いついた。ねっとりと絡めた舌先で粘膜をつつき合い、舐めまくる。 「んっ……ふ……っは……涼弥……」  焦ってたのが落ち着いてきた。 「好き、だ……」 「俺も、お前が好きだ」  唇を離して、至近距離で見つめ合う。  涼弥の瞳は俺だけを映してる。俺の瞳にも、涼弥だけ。 「將悟。俺がほしいか?」  2度目の問い。 「ほしい……早く」 「今日はゆっくりって言ったな?」 「ん。ゆっくり……」 「お前がやるんだろ?」 「ん……やれるだけやる」 「俺のちんぽ、挿れたいか?」 「挿れたい……」  腰をあげて。  再び。  涼弥のペニスを真上に向けて、その上に自分のアナルがくるように位置を合わせる。  左手は涼弥の首に回したまま。 「この前入ったんだから入るよな」 「そうだ。力抜け」 「ん……」  少しずつ、体重をかけて腰を落とす。 「う……くっ……」  涼弥の手が背中に触れる。 「このくらいはいいだろ?」 「うん……っは……」  アナルの襞、中にめくれる……ここ越えれば、たぶん……すんなり入る……。  もっと思いきってやれよ……なんて。人に言うくせに自分は無理って、ダメだろ。やれよ俺……! 「涼弥……」  首に回した手に力を込めて、腰をグッと思いきり沈めた。  「いッ……! つッ……あッ……!」 「くッ……」  ズポッって感じで。  入っ……たぁ……! 「將悟……平気か?」 「大丈夫……」  入ったらもう、ここは……快楽の入り口だ。  まだ亀頭部分しか挿れてないのに、圧迫感がすごい。  ゆっくり。腰をさらに沈めてく……。 「うっあッ……! んッ……!」  あ……もうここ、いいとこ……ビリビリくる……! 「そこ、いいんだろ? 動け。俺も気持ちいい」 「ん……あッ……わかってるっ……けど」  上に乗ってやる時の、(かい)結都(ゆうと)に教わったやり方は……。  まずは自分が気持ちいいように動くこと。  それが第一。  その方法は、前立腺と奥への刺激だ。  しこった前立腺を腸壁越しにペニスで擦るのは、相手も気持ちいい。  その気持ちよさは知ってる。コリッとしたとこ、亀頭があたってカリが引っかかる刺激……攻めも受けも快感だってわかる。  けど。  この強い刺激、自分から動いて起こすのって。かなりやる気出さないと出来ないよ……?  ガンガン突かれて有無を言わさずくる快感なら、嫌でも受け取れちゃうけどさ。  だから、ほかの。  自分への快感より、相手を気持ちよくさせるには。  アナルの口で、ペニスを扱く。括約筋でキュってなってるとこは中より狭いから、ここでペニス全体を上下すれば扱ける。  けど。  俺のいいとこにはあてずにやりたい。  だから、浅く。涼弥の亀頭のとこだけ……とりあえず。 「んっ……は……」 「抜くのか?」 「いや、はじめは……お前の先っちょ……攻める、うあッツ!」  抜けたし。  抜ける時、超キュポンッってなる! 「はっ……くッ……あッ!」  挿れた。  ズボッて。  これ繰り返すの……厳しいな。 「將悟」  背中に触れたままだった涼弥の手が、俺を抱き寄せる。 「悪い。動いた」 「いいよ……」  右手も涼弥の首に回し、俺を見つめる瞳を見つめ返す。 「ごめん。ゆっくり過ぎる……ってか、ちゃんとやれてなくて」 「お前、何考えてる?」 「え……?」 「今、何してるんだ?」 「お前と……やってる」 「どうしたい?」 「お前を気持ちよく……したい」 「それじゃダメだ」  え……!? 「俺をよくしたけりゃ、お前がよがれ」 「でもさ。今日は……」 「でももクソもねぇ。もう待てねぇぞ」 「ひあッ……!」  下から涼弥が突き上げたペニスが、グサッと中に捩じ入った。 「動か……すな」 「なら動け……」  熱い瞳で射られて囁かれ、息が上がる。 「気持ちよくなれよ」  もう一度。涼弥に下から突かれ、ゴリリと前立腺を擦られた。  俺と涼弥の身体に挟まれたペニスも擦れ、伝わる快感が倍増する。 「やッ、っあッ……! はな、せっ……!」  涼弥が腕を解くのに少し遅れて。俺も、涼弥に回した手を下ろす。 「はぁ……んっ……わかっ、た……から、横になれ、よ……」 「このままじゃ、やりにくいか? 近くで見てたい」 「中も前もじゃ……よ過ぎて、無理だろ……触るな」 「前……」  涼弥が、俺のペニスに伸ばそうとした手を止めた。 「お前がイクまでもたなかったら、動いていいから」  自信ない笑みを浮かべる俺。 「それまでは……俺にやらせて」 「ああ」  涼弥が上体を後ろに倒す。 「ッ……あ……」 「將悟」 「ん……?」 「お前が、俺ほしがって腰振ってイクのこっから見れりゃ……それだけでイケるぞ」  俺を見上げる涼弥の瞳が言ってる。 『イカせてくれ……やれるよな?』 「わかった……」  今日は俺がやる。  俺が気持ちよければ、涼弥も気持ちいい。  腰振って喘いでよがって、ほしがってイッてとける俺……見たいんだよな。  快楽に溺れて、涼弥をイカせろ俺……!  息を吸って。  前に出した腰を、沈めながら勢いよく後ろに下ろした。

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