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第22話 彼女より

「特別……って彼女のこと?」 「え、あぁ……まぁそうかな」 「……」 髪を拭く状態では既になく、薫は俺を抱きしめている手を緩めようとはしない。 それにのっかって俺も薫の湿った頭を撫で、片手は薫の腰に回していて離れる意思がまるでなくて我ながら呆れる。 あー細い腰が可愛いエロい! 「……だから」 「でも、俺って彼女より大事なんだろ?」 「ン?」 「さっきエレベーターで言ってたじゃん。彼女よりも大事だって」 「……え、あーと……はい言いました」 「じゃ、彼女以上なんだからぎゅうしても問題ないよね?」 っ! きゃー!!! 薫の上目遣い!! 無表情ながらも強い意志を感じる視線が、俺の胸にグサグサと突き刺さってノックアウト。 彼女以上って!何それ!! 薫ーー!最高可愛いんだけど!! って、確かに彼女よりも大事だって言ったの俺だけどさっ! ……ったく。 こいつ俺のことめっちゃくちゃ好きなんじゃん。 スゲーゾクゾクしてしまうけど、いやいやっ! 念には念を入れないと…… 「あのなぁ、意味わかってんのか?彼女より大事ってことの意味」 「?」 頭を撫でていた手で、薫の白い頬を指先で優しく撫でてやると、抑えていた薫への気持が込み上げてきてしまう。 「……彼女にしてるエロいことを、お前にもしたいってことだぞ?わかってるか薫ちゃーん?」 「……え」 ドキン ドキン うわー!友達と恋人のボーダーライン! ここで薫にドン引きされたらおしまいだ。 引かれたら冗談でひたすら誤魔化し通すしかなーーい! 「……」 「……俺」 「……」 「おっぱいないよ」 「……んんん?」 「だって、てっちゃんおっぱい大好きじゃん?おっぱい最高~!っていつも言ってたじゃん。エロいことって言っても俺そんなおっぱいないよ?」 ……あ、はい。 確かにおっぱい大好きです。 そう言っておりました。 それは薫を諦めるためにやけくそで言っていたわけで、確かにおっぱいは柔らかくて好きですけど! 「た、確かに薫にはないな……」 「うん、ないよ」 「はは、あははそうだよなぁ〜」 おっぱいないからエロいことはできない。 そういうことだ。 そりゃそうだ! まさか同性の幼なじみがセックスしたいなんで夢にも思わないよな! 「だけど……俺」 「え」 「俺、てっちゃんになら、何されてもいいかな」 「」 ぎゅぅ…… …… …… 昇天っ!!!!

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