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…ここ…どこだ…? 目を覚まして、最初に思ったのはそれだった。 見覚えのない部屋。 寝かされていたベッドから起き上がろうして、横に誰かが居る事に気付き、振り返る。 その人物の顔を見た驚きと恐怖に悲鳴を上げそうになった口を、慌てて手で押さえる。 俺の横では、速水が寝ていた。 熟睡しているのか、起きる気配がない。 俺はそれをいい事に熟睡している速水の顔を間近で見た。 モテるだけあって、綺麗な顔をしている。 寝ている顔だけを見ると、とてもあんな凶暴な事をするような男には見えないけど…。 ………って、何を考えているんだ、俺は。 速水の顔に見惚れていたことに気付き、焦る。 慌てて速水の顔から視線を外し、改めて部屋の中を見回した。 …殺風景な部屋だった。 あるのは机、椅子、俺達が寝ているベッド、他には何もない。 窓にカーテンすら、ない。 身体の痛みを耐え、起き上がると自分が全裸な事に気付く。 部屋の中を隅々まで見回したが、俺の服がない。 ベッドを降りて服を探しに行くべきか悩んでいると、声が聞こえた。 「…起きたのか」 「…俺の服は?」 速水の方を見ずに、俺は自分の疑問を口にした。 「…服?んな物、あるわけないだろ」 「…ない…って…え?」 その答えに驚いた俺は速水を振り返る。 すると速水の手が伸びてきて、俺の額に触れた。 「…ああ…やっぱり腫れているな。少し、待ってろ」 速水はベッドから降りると、そのまま部屋を出て行った。 速水の背中をボンヤリと見送っていた俺はドアの閉まる音で我に返り、ベッドのシーツを剥ぐと裸の身体に巻き付け、ドアの取っ手を掴み、押した。 が。 動かない。 …あれ?

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