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俺の裸の身体に、衣服が降ってくる。
「それ着て、この部屋から出て行って」
すでにキチンと身なりを整えた晃の声が聞こえる。
「そして、二度とこの部屋に戻って来ないで」
俺はノロノロと服を着ながら、口を開いた。
「…俺が出て行って…晃は大丈夫…?」
速水は、俺がこの部屋から出て行くことは許さないと言った。
俺がこの部屋から逃げて、それを助けた晃は果たして無事でいられるのだろうか…?
それが心配で、晃に聞いたのだが…。
「何、偽善者ぶってんの?あんなコトをした僕の心配をするなんて。それに、由貴を逃がした僕に馨が何かすると思っているの?」
蔑んだ目で俺を見る晃。
「自分にそんな価値があるとでも思っているの?あいにく様、馨には由貴の代わりなんていくらでも居るの。自惚れるのも大概にして」
「…そんな…こと…」
「じゃ、早く出て行って」
俺は黙って着替え終わると、ドア前まで歩いて立ち止まる。
「俺のことが嫌いだったのに…どうして俺に優しくしてくれたの?」
ドアノブを掴んだまま、振り向かずに口を開く。
「………面白かったから。僕が声をかける度に、嬉しそうな顔をするんだもの。それが面白くて」
クスクス笑う晃。
俺はその笑い声を聞きながら、ドアを閉めた。
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