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-青山に初めて会った場所。 それは中学生が来るには、危ない場所だった。 その頃のオレは、家族に自分の性癖を告白したばかりで自暴自棄になっていて、家に帰らない日々が続いていた。 そこは、オレみたいなはみ出し者でも受け入れてくれる場所で居心地がよく、オレは入り浸っていた。 青山は、友人に連れてこられたみたいだった。 場違いな程青山は、その場所で浮いていた。 本人もそれがわかっていたのか、居心地が悪そうな感じだったが。 青山と一緒にいた相手は以前にも、この場所で見かけていた。 あまりよくない噂の奴と一緒に、よく来ていた。 確か、晃と呼ばれていたのを覚えている。 可愛い顔をしていて人気もあったが、俺はあまり興味はなかった。 それより、晃と一緒にいた青山の方が気にかかった。 青山は居心地が悪そうにしていたが、晃に話しかけられると笑って答えていた。 晃に対しては、よく笑顔を見せていた青山。 今では、笑顔どころか顔を隠すようにしている。 オレは溜め息をひとつ吐くと、手にしていた本を閉じ、席を立とうとした。 その時。

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