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4ー1

やっと解放された俺は、痛む身体を抑えて寮へと帰った。 やはり、俺なんかが普通の生活を送れると思う事が間違いだったんだ。 …三城には悪いことをした。 青い顔をして寮の前で俺を待っていた三城を思い出す。 駅前で三城の叫びを無視して車に乗り込んで去った俺を責めるでもなく、ただ心配してくれていた。 そんな三城に返事もせず、無言で部屋に籠もってしまった俺。 三城に合わせる顔がない。 なのに…。 合わす顔がないのに、俺は今、部屋を抜け出し暗い廊下を歩いている。 三城の部屋を目指して。 しなければいけない事は沢山ある。 荷物を纏め。 部屋を掃除しなくては。 明日には出ていかないといけないから。 もう、三城に会えない。 そう思うと、凄く三城に会いたくなった。 合わす顔なんかないのに。 わかっている。 わかっているけど。 それでも会いたい。 時刻は、夜中の一時。 消灯はとっくに過ぎている。 普通なら、寝ている時間。 起きているだろうか。 俺は躊躇いながらも、三城の部屋のドアをノックする。 すると、まるで俺が部屋を訪ねる事がわかっていたかのように、すぐドアが開いた。 会いたかった三城がいる。 心配そうな顔をして。 何か話さなければ。 そう思って口を開くが、言葉が出てこない。 胸がいっぱいで。 そんな俺の手首を掴むと、部屋の中に引っ張り込みドアを閉めた。

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