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7ー2

「こんなモノで俺を刺せると思っていたのか?」 速水馨の問いに青山由貴は答えず脱がされたシャツを手に取り、腕を通す。 由貴と違い、馨は服を脱いだ形跡がない。 黙って服を着ている由貴を眺めている。 「それほど俺が憎いか?」 その声に、服を着ていた由貴の手が止まる。 が、それは一瞬のことですぐ手を動かし始める。 顔はずっと俯いている為、由貴がどんな表情をしているのかわからない。 「憎ければ、いくらでも憎んだらいい。だが、俺はお前を手放す気はないし、俺に刃向かいナイフを向けた事を後悔させてやる」 着替え終わった由貴の腕を掴み、部屋を出る。 マンションを出ると、雨は強く降り続けアスファルトを叩き続けている。 馨は軽く舌打ちをすると、車を置いてある駐車場まで走る。 馨に腕を掴まれている由貴も、何も話さず黙ってついて行く。

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