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第3話

それから数ヶ月後、名前で呼んでいるなんて、 名前で呼ばれているなんて思いもしませんでした。 「遥登、おいで。」 「はい。 正宗さん。」 心地良い声が自分の名前を呼ぶ。 冷たくて大きな手が頬を撫で、気持ちの良いキスを何度も降らす。 あの目は、雄の目でした。 自分を捕らえ捕食する肉食獣の目。 だけど、きっと、俺自身もそれを望んでいる。 「なぁ、ベットとソファどっちが良い?」 「正宗さんとなら、どこでも……」 「じゃあ、ベランダ。」 「捕まりますよ…」 見てみたかった本当の笑顔は、キラキラしていて1等綺麗です。

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