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第2話

まだ慣れないクラス。 同じ中学からの進学者もいない三条は帰りの電車待ちの時間潰しに教室で静かに本を読んでいた。 パラ…と捲ったページに陰が落ちる。 「三条、何読んでるんだ。」 「あ、長岡先生。 夢十夜です。」 「へぇ、本好きなのか?」 頷くと、担任は嬉しそうな顔をした。 「先生のおすすめの本で良ければ貸すから、何時でも準備室においで。」 嬉しそうな顔は本当だ。 失礼だけどちゃんと感情があるんだと知った。 そして、それが何故か嬉しかった。

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