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第3話

「お待たせしました。 いかがでしょうか。」 「わ…、綺麗。」 出来上がった花束を目の前に差し出すと、ふわりと笑う君に目を奪われる。 不健康そう、なんて思ったが笑顔がとても似合う人だ。 手渡すと恐るおそるといった様に受け取り、それは嬉しそうに微笑んでくれた。 鮮やかなピンクのお陰もあって顔色も良く見える気がする。 「すごい。 色の取り合わせも綺麗。」 「ありがとうございます。」 「おいくらですか。」 ポケットから財布を取り出す際も花が潰れない様に優しく抱え、もぞもぞとしている君に俺は声をかけた。 「机、使ってください。」 「ありがとうございます。 でも、置いてしまうの勿体無いです。」 頬を上記させ嬉しそうに君は言う。 勿体無い…

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