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第2話
俺の好みか…
そうだな
どうしようか
一瞥した君は近くの花を眺めている。
ワクワクしたその横顔。
彼女へのプレゼントだろうか。
それとも…。
邪推はやめて俺も花と向かい合う。
緑色をベースに花を束ねていく。
フワフワのビバーナムスノーボール。
八重咲きのトルコキキョウ。
軽やかなリキュウソウで動きをつける。
沢山の緑色を使ってなるべく平べったくならない様に表情豊かに。
この人をイメージして白くしようかとも考えたが、なんだかそれじゃあ…その、葬式っぽいと言うか。
真っ白なラナンキュラスに手を伸ばしてやめた。
それから…
あ、これにしよ
ぐるりと店内を見回す客人の異常な白さに花屋は花瓶から目を引くショッキングピンクの花を引き抜いた。
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