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第5話寝た子が起きた

 枕元に置いてあったコンドームを手に取り、指に被せてからローションを垂らし、俺は隆幸さんの割れ目へと手を伸ばす。にちゃっ、とローションを奥まった所へなすりつけると、隆幸さんの顔が歪んだ。 「ぁ……な、なあ……やっぱり、初めて挿れる時って痛い……か?」  緊張と怯えが伝わってきて、俺は隆幸さんに顔を近づけて微笑んで見せる。 「ちょっとだけ痛かった。お互い初めてだったし、加減もよく分からなかったからな。でも隆幸さんが優しくしてくれたから、そんな酷い痛みじゃなかったし、繋がれて嬉しかったっていうのが大きかったけど」 「そ、そうだったのか……それなら、その……良かった……」  隆幸さんの目が照れて泳ぐ。いっぱいいっぱいで語彙が普段よりも少なくて、わずかな反応が可愛くてたまらない。  ……欲しい。  今まで抱かれる側でも不満はなかったけれど。  俺が自分のすべてを捧げたいと望んだ人を、隅々まで愛することができる。  今まで見たことのない反応や表情を堪能することができる。  もっとこの人の深いところまで手にすることができる――。  逸る心を抑えながら、俺は隆幸さんの硬く閉じた所を優しく解しながら耳元で囁く。 「安心して隆幸さん。どうすれば気持ち良くなれるか、俺は貴方にいっぱい教えてもらったから……俺を信じて」 「ぅ……ん……ッ」 「体に力が入ってるとそれで痛くなるから。だから俺に集中して。いっぱい可愛がって溶かしてあげるから」  言いながら耳に息を吹きかけ、甘くかじると、隆幸さんが俺の下でビクビクと体を跳ねさせる。そして瞳を潤ませながら俺を睨んできた。 「ちょ、ちょっと待て……なんかお前、手慣れてないか? もしかして、本当はずっと俺に挿れたいって思ってた?」 「いいや、まったく考えてなかったけど……でも、いざ逆転したら、隆幸さんを抱けるのが嬉し過ぎて、頭おかしくなりそうになってる」 「……もしかして俺、寝た子を起こした?」 「そうかも。萎えるどころか、今すぐ挿れたくてたまらないし……だから安心して感じてよがりまくって大丈夫」 「言い切られると逆に怖いからっ……ぁ……」  動揺している隆幸さんも可愛いな、と思いながら俺は指先を中へ埋める。女々しさの欠片もない人なのに、入り口を軽く弄られるだけでもか弱さが覗くとたまらない。普段の隆幸さんを剥いだらどんな風になるのか知りたくて、胸の奥がウズウズしてくる。  ゴム越しに隆幸さんの熱が指へ伝わり、ドクンと俺の鼓動が弾ける。  この中を味わえるなんて……と考えただけで、自分の目がギラつくのが分かった。

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