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New Tomorrow

眩しい光に気づいて目が覚める。 布団を捲り、朝の支度を始めた。 新しい制服に袖を通す。中学の時は、学ランだったけど、高校に上がるとブレザーに変わった。 「おはようございます」 着替えをした後、お世話になっている親戚の人たちに挨拶をする。 「早く食べちゃってね」 「はい……」 「(そら)くん、今日は私、帰りが遅くなるから、適当に何か食べてね」 目も合わせず、おばさんは台所で皿を洗い、おじさんは新聞を読み、何も言葉をかわさない。 手早くご飯を食べると、すぐにリュックを背負い、家を出た。 小さい頃、母親が亡くなって、親戚の家をたらい回しにされ、歳を重ねるごとに、だんだん疎外感を感じている。 いつもの通学路も変わり映えしないし、毎日がつまらない。 「……っわぁ!」 ぼんやりと歩いていると、足元にあった何かに躓いてしまい、前に倒れ込んだ。 しかも、リュックが開いていたらしく、中身をほとんどぶちまけてしまった。 「最悪……」 慌てて教科書とノートをかき集め、リュックの中に入れる。 まっすぐ歩いていくと、いつもの交差点に差し掛かる。ラッキーなことにあまり待たずに、渡ることが出来た。 そういえば、今日は英語の小テストがあったっけ。 あと、古文の宿題も出さなきゃいけないしなぁ。 そんなことを考えていると、「ソラ、危ないっ!!」と後ろに引っ張られる。 目の前をすごいスピードでトラックを通りすぎて行った。 あまりに急なことで、ただ立ちすくんでしまった。 「大丈夫?怪我はない?」 「あ、ありがとうございます……。えーっと……」 後ろを見ると、背の高い男の人が、僕を見下ろしていた。 綺麗な銀髪に、青い瞳。 「名前……何で知ってるんですか?」 「これ、落としたでしょ」 渡されたのは学生証の入った財布。 さっきこけた時に落としたのかな。 「ありがとうございます!!」 「……相変わらず、少し抜けてるな」 「え?」 青い目を細めて、優しく微笑む男の人を見て、どうしてこんなに懐かしく思うのだろう。 胸の辺りが熱くなるのは、気のせいなのかな……? To New Future…

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