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「どうなさいました?」 景色が見たいと停車して、いきなり押し倒したというのに、その余裕の顔が腹立たしい。 やっと気持ちが通じたのに顔色ひとつ変えず『私も好きですよ』なんて、性急なのは自分だけみたいだ。 「社長、私は逃げたりしませんよ」 心を見透かしたように有能な秘書は、微笑んだ。

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