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SS1「サンタコスチューム(※R18)」-2
忘年会のビンゴで女子用のサンタ服が当たってしまった蓮見は、正直なところ少しうんざりしていた。
景品の中の特に何が欲しかったわけでもないが、持っていても役に立たないものを手にすれば、今度はそれをどこかに処分しなければならなくなる。
蓮見には姉と妹がいるが、二人は蓮見以上に男前な性格だ。「可愛いミニスカサンタ」になりたがるとは思えなかった。
「だいたい似合わねえよな」
蓮見家の人間は全体的に男顔で背も高い。二人とも世間では美人に分類されているらしいが、タイプ的に「可愛い」という言葉とは無縁だった。某劇団なら男役でいける。
姉と妹がミニスカサンタになった姿を想像した蓮見は、思わずきつく目を閉じてぶんぶんと首を振った。心によくないことを考えるのはよそう。
ゴミにするには可哀そうだけれど、置き場所にも困るしなあと、そんなことを考えながら、大事な恋人と暮らす古い2DKのアパートの外階段を上がっていった。
「ただいま」
「あ。おかえり崇彦」
ちょうど風呂から上がったらしい三井が、ぴかぴかの笑顔で出迎えてくれる。「早かったね」と嬉しそうに笑う様子に愛しさが込み上げた。
酔ったふりでいきなり抱き寄せてキスをすると、蓮見の全部を許してくれる優しい手が背中を軽く叩いた。
片手に下げたままの紙袋がガサガサと音を立てる。
「何かもらってきたの?」
「うん。ビンゴ当たって……」
言いながら、ああこの人になら似合うのになあと思う。人形のように綺麗に整った優しい顔立ちに、白いフワフワの付いた赤いフードはピッタリだ。
そう思うと、酔ったふりのついでに袋の中の真っ赤な上着をパジャマの上に着せていた。
「遥、可愛い。超似合う」
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