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第16話 天谷雨喬の人間関係7p

「あああああーっ! 何やってんだよ、俺は!」  一人きりの帰り道、天谷は道の途中で立ち止まり、頭を両手で押さえて叫んでいた。 「俺、最低だろ! ああーっ! もう、俺ってば、下の下!」  天谷は散々喚いた後、下を向いてとぼとぼと歩き出す。  ため息を撒き散らかす天谷の視界に不意に黒猫が入る。  黒猫は道の真ん中に座り込み、天谷の方を見ていた。 「お前、学校にいたやつ?」  天谷は黒猫に近付くと、しゃがみこみ、黒猫の背を撫でた。  黒猫は天谷に撫でられると可愛らしく鳴き声を漏らす。  天谷は微笑んだ。 「よしよし。お前は俺と違って可愛いなぁ」  天谷は優しく黒猫を撫でる。  黒猫が天谷の足にじゃれつく。  天谷は微笑み、そして、ふと、顔を上げた。  天谷の見る空が異様に明るい。  今、夕日が落ちようとしていた。  天谷のスマートフォンが鳴る。  日下部からメールが入っていた。  天谷は日下部からのメールを読み終えると、ふわりと笑って、「あのバカ」と呟いた。  天谷の顔が夕日色に染まる。  天谷は立ち上がり、スマートフォンを操作する。 「もしもし、日下部っ……」  黒猫が膝に乗り、天谷に顔を擦り付けてニャアと鳴いた。       終

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