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第4話

「まだ、制服か?」 「んっ、うん…せ、制服着てソファーに座ってたのっ」 「そうか、一人でやってみたんだな?」 「でも、できなかったぁ」 涙声の咲夜に伸弥は優しく話しかけてくれる。 できないことがあっても、失敗をしてしまっても、絶対怒らないこの人のことが大好きだなと咲夜は思った。 「咲夜、右手の親指と中指で輪っかを作ってゆっくり動かせるか?」 「それ、自分でもやったもん」 「そうか、いい子だな。咲夜、俺の声をしっかり聴いて指を動かしてごらん」 「んっ、あっあっ」 一人でどんなに擦ってもこんなに気持ちよくならなかったのに、携帯電話から響いてくる声を聞いただけで、ありえないくらい身体が火照り、後孔からはトプトプと愛液が溢れ出す。 「あっんっ、伸弥さんっ、ん、ぬめぬめするのっ」 「上手だな、咲夜。そのまま、先っぽを触ってごらん」 「ひゃっ、あっ、んっ、む、むりっ。でちゃうっ」 「気持ちいいな、咲夜。そのまま円を描くように撫でてごらん」 「ひゃっあぁッ」 耳から伝わる声のせいで、身体の芯から溶けてしまいそうな不思議な感覚に陥る。 大きく開いてソファーの上にのせていた両脚はがくがくと震えていた。 気持ちいいけど、このまま続けたらおかしくなっちゃいそうで、恐い。 恐いけど、上手だと褒められ、大好きな声で指示を出されば言われた通り手が動いていった。 「んっ!ひゃっあっあっあっ」 「もうすぐか、咲夜?いい子だ。愛してるよ」 「でちゃうっでちゃうっの、助けてっ、やぁぁぁぁ!!」 . . . 冷静になると、独りぼっちで何をやっているんだろうと、余計寂しくなってしまったが、伸弥の声を聴きながら咲夜は絶頂に達することができた。 このことでエネルギーを使い切った咲夜は、電池の切れた人形のようにパタリと眠ってしまい、手に握られていた携帯電話は繋がったままカーペットの上に転がっている。 「咲夜?咲夜?まだ聞いてるか?朝一番の飛行機で帰るからな」 誰よりもカッコいい(つがい)の声がそう呟いた気がした。

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