4 / 4
第4話
「まだ、制服か?」
「んっ、うん…せ、制服着てソファーに座ってたのっ」
「そうか、一人でやってみたんだな?」
「でも、できなかったぁ」
涙声の咲夜に伸弥は優しく話しかけてくれる。
できないことがあっても、失敗をしてしまっても、絶対怒らないこの人のことが大好きだなと咲夜は思った。
「咲夜、右手の親指と中指で輪っかを作ってゆっくり動かせるか?」
「それ、自分でもやったもん」
「そうか、いい子だな。咲夜、俺の声をしっかり聴いて指を動かしてごらん」
「んっ、あっあっ」
一人でどんなに擦ってもこんなに気持ちよくならなかったのに、携帯電話から響いてくる声を聞いただけで、ありえないくらい身体が火照り、後孔からはトプトプと愛液が溢れ出す。
「あっんっ、伸弥さんっ、ん、ぬめぬめするのっ」
「上手だな、咲夜。そのまま、先っぽを触ってごらん」
「ひゃっ、あっ、んっ、む、むりっ。でちゃうっ」
「気持ちいいな、咲夜。そのまま円を描くように撫でてごらん」
「ひゃっあぁッ」
耳から伝わる声のせいで、身体の芯から溶けてしまいそうな不思議な感覚に陥る。
大きく開いてソファーの上にのせていた両脚はがくがくと震えていた。
気持ちいいけど、このまま続けたらおかしくなっちゃいそうで、恐い。
恐いけど、上手だと褒められ、大好きな声で指示を出されば言われた通り手が動いていった。
「んっ!ひゃっあっあっあっ」
「もうすぐか、咲夜?いい子だ。愛してるよ」
「でちゃうっでちゃうっの、助けてっ、やぁぁぁぁ!!」
.
.
.
冷静になると、独りぼっちで何をやっているんだろうと、余計寂しくなってしまったが、伸弥の声を聴きながら咲夜は絶頂に達することができた。
このことでエネルギーを使い切った咲夜は、電池の切れた人形のようにパタリと眠ってしまい、手に握られていた携帯電話は繋がったままカーペットの上に転がっている。
「咲夜?咲夜?まだ聞いてるか?朝一番の飛行機で帰るからな」
誰よりもカッコいい番 の声がそう呟いた気がした。
ともだちにシェアしよう!