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第3話
「あっ!」
ぐずぐずと涙を流しながら自分自身を擦っていると、携帯電話が着信を告げた。
こんな時に電話に出れるはずはないけれど、着信音から大好きな人だと言うのは分かっている。
「っも、もしもしっ」
「…咲夜?学校から帰ってきたのか?」
「う、うんっ…んっ」
慌てて電話に出たため、下着をあげることも、ズボンをはくことも忘れていた。
勢いよく立ち上がった咲夜の後孔から愛液が垂れ落ち、太ももをひんやりと濡らす。
「シンガポールに着いたところだ。急な予定で悪いな」
「大丈夫だよっ」
本当はすぐにでも戻ってきて欲しい。
発情期に入ってしまうから、あなたが必要なんだと伝えたら飛んで帰ってきてくれるだろうか。
「っ!あっ、んっ」
声を聴いているだけで身体がどんどんと熱くなり、膝ががくがくと笑い出した。
自分を触っていたなんて知られたら嫌われちゃうんじゃないかと咲夜は恐かった。
「咲夜?発情しているのか?」
「あっ、わっ、ち、ちが、違うっ」
「咲夜、違くないだろう?」
お腹に響くようなハスキーな声が電話越しに伝わると、咲夜は自分の先端から精液があふれ出るのを感じた。
「あっ、だっ、んっ、だって、だって」
「一人で何とかしようとしていたのか?」
「…なかったんだもん」
「うん?」
「だって、伸弥さん帰ってきたらいなかったんだもん!僕のせいじゃない!」
いたずらが見つかった幼子のように、咲夜は大声を上げた。
自分がやっていたことが良いことか悪いことかなんてわからなかったけど、恥ずかしくて消えてなくなってしまいたいと咲夜は思った。
「一人でできたのか?」
「で、できなかったのっ」
「俺が出張なんて行ったせいだな。手伝うから一緒にやろう」
「一緒に?」
「ああ、俺の言うとおりにするんだぞ…」
「う、うんっっ」
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