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王道な学園での恋愛-3

俺のじっと待つ攻撃に負けたのか会長はバサバサとセットされていない頭をかきむしるようにした後「かっこわりぃから言いたくなかったんだけどよ…。」と話してくれた。俺、会長に勝った! 「お前のいないとこにいたって仕方ないだろ…。」 会長らしくない小さな声に俺は首どころか身体ごと傾げた。 「お前が目の前から消えて、目の前が真っ暗になった気がした。消えるなんて普通思わねぇだろ。俺がいなかったら生きていけねぇようにしてる途中に目の前で消えたんだぞ?そんな事考えもしなかった…けど、生徒二人もきえちゃあそのまま落ち込んでるわけにもいかねぇし、あいつはどうでもいいけどお前だけは探し出そうと思った。」 うんうんと頷きながら聞く俺の右手を会長が両手でぎゅうっと握った。 「調べればあの階段で消えた生徒やら教師やらの事がごろごろ出て来るじゃねーか。だったら俺もお前と同じとこに行けんじゃねーかと思って消えたやつらの共通点を探したら『この世界にとどまっている意味をもたない者』だと仮想がたった。そしたら…まぁ、行けた。」 という事は、会長もあの世界にとどまりたかったのだろうか。俺が帰りたかったから帰ってきてしまったのだろうか…会長はこの世界にいなくても良いと思っているのだろうか。 それは…嫌だなぁ。とっても嫌だな…。 会長に握られていた手を今度は俺が両手でぎゅううううっと握った。 「俺は会長が好きだよ。高梨泰朋が好きだよ。だからどこにも行かないでここにいてよ。」 会長である泰朋が好きだから、向こうなんかに行かないでずっとここにいて欲しい、俺の側にいて欲しい。そんな思いを込めて口にすれば涙がじんわり溢れてきた。 もう会長と離れたくないとばかりに抱き着けば会長も俺に腕をまわし抱きしめてくれた。 「あぁ、俺ももうお前…悠太と離れたくねぇよ。」 耳元で囁かれやっと安心した俺を会長はぺろっと食べて動けなくしてしまったわけだけど、これはまた別の話で…。 俺が会長から離れないように、離れられないようにめいいっぱい甘やかしてたなんて会長ってば可愛いとこもあるなぁ…とベッドから起き上がることが出来ない俺はニヤニヤと会長を見つめるのだった。

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