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第3話
不意に声のした方を見ると都会らしい綺麗な面立ちの人がいた。
「いえ…何でもないです…」
「そう?泣いているように見えたから…」
「…今日郷を出てきたから少し寂しいのかな?」
「そうなんだね。俺は桐里 巳露(きりさと みつゆ)。あなたは?」
「連堂 峻太郎(れんどう しゅんたろう)」
「いくつ?俺は22」
「明日19になります。」
「大学生?」
「いえ。新社会人です」
「へぇ。そうなんだぁ。じゃあ俺と一緒だね。俺も新社会人。この辺りに越してきたの?」
「えっと…あそこです」
少し古いアパートを指差すと彼が目を見開いた
「そうなの?!同じだぁ!!」
初めてあった彼は人懐っこくニコニコと笑顔が可愛い人。
「何階?」
「えと…」
「あ!!ごめん!!聞きすぎだね!!ごめん!!」
「いえ…あの…嬉しいです。来たばかりで不安だったから…」
「じゃあ友達になりませんか?」
「いいんですか?俺みたいな田舎者…」
「なぁに行ってるの。田舎だろうが都会だろうが君は君でしょ?俺が君と友達になりたいの。君が良い」
「ありがとうございます」
彼はにこっと眩しい笑顔をむけてくれた。
これが苦しい選択になるとも知らず…
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