64 / 112

第64話

 ぐっと眉を寄せた竜次郎が、 「みだりに俺を挑発するなっつってんだろ」  と唸るように言ったかと思うと、湊の膝の裏を掴んで肩の方へ折り畳むように押し付ける。  全てを晒されるような体勢に羞恥を感じ狼狽えかけたところへ、ローションをどぼっとかけられて身を竦めた。 「ひゃ、…っ」  いつもよりも性急に指が入ってきても、大量のローションのせいか圧迫感や痛みはない。  内部で指が動く度にぐちゅぐちゅとすごい音がする。 「や、りゅうじろ、音……が」 「ちっと出し過ぎたな」  くっと喉の奥で笑う竜次郎は、悪い男の顔だ。  繋がった時のように突き上げられて体を震わせると、腹の上のローションが伝い落ちるのがわかった。  既にシーツは酷いことになっているだろう。 「あ……っ布団まで、汚れちゃ…、かも……っ」 「布団くらいいくらでも買ってやるよ」  こうなったらお前も好きなだけ汚せ、と唆されて、そんなこと、と反論しようとすると感じるところをぐりっと押されて思わず指を締め付けてしまう。そのせいで押し出されたローションがまたシーツへと垂れたのを感じた。 「っ……や、いじわる……っ」 「ローションプレイしたいっつったのはお前だろ?」  今更ながらこんなに大量に使う場合は風呂場などでするべきなのではと思い至ったが、後の祭りだ。  そんなことを気にしていられるほどの余裕ももうない。 「りゅ、じろ……も、いいから……っ」    強請れば、すぐに先端が押し付けられ、くぷっと音を立てて呑み込まされる。 「あ……あ、あ…っ」  太くて大きなものがぬるぬるとどこまでも入ってきそうで、震えながら枕を握りしめた。  肌と肌が触れて、全て繋がると竜次郎は一旦動きを止める。 「ん……っこんなどろどろでもお前ん中はきついな……」  上擦った声に、竜次郎も気持ちがいいのだと思うときゅんと中が締まった。  くっと息を詰めた竜次郎が、そのまま腰を使い出す。  ゆっくりと出し入れされるだけで湊は何も考えられなくなり、高い声で素直に自分の体感を伝えた。 「あぁ、や、りゅうじろ、……っきもちい、きもちいい……っ」  ぐっと腰を浮かされて、上から打ち付けるようにして激しく抽挿されると、奥の方がきゅうっとなる。 「おく、だめ、……あ、あっあっ……あぁっ」  駄目だと訴えたそばからぐりぐりと抉られて、湊は堪えきれず絶頂へと押し上げられた。  深すぎる快楽に痙攣しているところを、卑猥な音とともに揺すられて目を見開く。 「ひっ、……え、あ、待っ……まだ、やぁ……っ」 「悪い。もうちょい頑張れ」  息を乱した竜次郎が激しく突き込んできて、達したばかりで敏感になっている内部を泡立つほどにかき混ぜられてわけがわからなくなる。  おかしくなりそうで、助けを求めるように縋り付けば、唇を塞がれた。  上も下も貪欲に貪られて、頭の中が白くなって目の裏がチカチカする。 「んーっ……ん、は、……っあ、……あっ、も、む、り、……っ死んじゃ……っ」  過ぎた快楽に泣きが入り、涙目で必死に自分を押しつぶす竜次郎を見上げる。 「も、中……だし、て……っ」 「っ………」  密着した体が硬直して、痙攣したものが中を濡らした。 「あっ……や、いっぱい……」  揺すられながら何度か出されて、湊も震えながらローションで濡れた己の腹にその白濁を撒き散らした。

ともだちにシェアしよう!