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第14話
朝日が差して、目を覚ました。
プテロが優しい顔で見つめていてドキッとする。
きまり悪くて目をそらしたら頬にキスされた。
「…腹減った」
「悪いが食べ物はないぞ」
「わかってる。俺の荷物は?」
「取ってくる」
空腹で立ち上がるのも億劫で有難くプテロに任せた。後ろ姿でも力が満ちているのがわかる。
昨夜、あの男に抱かれたと思うと落ち着かない。
しかもあんなエロい抱き方をされて気持ちよくなるとは予想外だったし…、いや思い出すな。あれは事故だ。
プテロがバッグとレジ袋を持ってきて、まずお茶のペットボトルを開けてごくごくと飲んだ。ふーっと思わず息をつく。
気まずくてプテロと目を合すことができない。
のろのろと縁側に出て、昨日の夕食用に買った唐揚げ弁当を黙って食べながら、どうしたものかなと思う。
プテロも横に座り、荒れた庭を眺めている。
夢で過去を見てさすがに俺も悪かったと反省していた。
プテロは一途に待っていたのに俺は全部忘れていて、しかも出て行けと言われて。
約束を裏切られた落胆が怒りになって逆上した気持ちも理解できた。
でも一緒に暮らすのは…どうなんだ?
「…あのさ」
黙って庭を眺めていたプテロが俺を見た。
「わかっている。出て行けばいいんだろう」
静かな表情で淡々と言った。
「え?」
「昨夜は悪かった」
先に謝られて、俺は焦った。
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