15 / 15

第15話

「いや、俺も悪かったと思ってる。いきなり出て行けって言われたら怒るよな。ていうか約束忘れててごめん」 「思い出したのか?」 「うん。昨日夢で見たよ。プテロかわいかった」 「育ってしまって残念だった?」 「え? そんなことはないけど」 「じゃあ、俺はここにいていいのか?」  俺はためらいながらうなずく。 「でも、ああいうことはなしで」 「ああいうことって?」 「だから、昨日みたいな」 「抱くのはダメってことか?」  ズバリと言われて赤面する。 「どうして?」 「生気があればいいんだろ?」 「まあそうだが」  プテロは納得いかないという表情で首を傾げた。 「あんなに気持ちよかったのに?」  俺は黙り込む。  快感の問題じゃない、アイデンティティの問題だ。  でもプテロには理解できないらしい。  妖怪だもんな、感覚が違うのだろう。 「まあいい。俺がその気にさせたらいいんだろ?」 「ならないよ」 「そうか?」 「そう!」 「では気長に口説くとしよう」  涼しい顔でプテロは笑う。  俺とプテロの同居が決まった瞬間だった。  完  この話をベースに14万字に改稿して電子書籍化しました。 各電子書籍サイトで配信しています。 コミックシーモア、kindleの読み放題会員は無料で読めます。 どうぞ遊びに来てくださいねm(__)m https://www.cmoa.jp/title/1101374819/ https://www.amazon.co.jp/gp/product/B0BL3TP6ZQ                

ともだちにシェアしよう!