13 / 13

第13話

「柚木が渡瀬から逃げなかったのは、共犯……だからだろ? ……だったら今度は、俺と共犯になろうぜ。柚木」 山下の手が、僕の下肢に手を伸ばす。内腿に触れる指先。その中心に向かって滑り上がり、僕のモノを握り込む。そして── 「……あぁっ、……や、ゃめ……」 激しく上下に扱かれる度、強い刺激が脳天を突き抜け……容赦なく思考を制御する。 「あ、あ………しぃ……、欲し……」 ぶるぶるぶるっ 「せん、ぱ………、ハァ……挿れ……れぇ……ハァ、はぁ……」 早く打って欲しくて、懇願した瞳を向ける。 口元が緩み、呂律は回らず、涎が口端からはしたなく垂れ…… 「あげるよ。何度でも」 ニヤリと口元を歪めた山下は、布団の脇に置かれたケースから注射器を取り出し、僕の腕に打つ。 「俺の柚木」 その瞳は、何処か淋しげに濡れ……光を揺らす。 僕の前髪を搔き上げる、優しい手。 心地良い程の、優しい声。 「……終わったら、一緒に埋めに行こうな」 END

ともだちにシェアしよう!