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第12話

それじゃあ、山下は…… 渡瀬先輩に呼び出されたんじゃなくて その先輩を探しに……? 「……」 ゾクッと身体が震える。 喉の渇きが蘇り、喉奥からヒュウと音が鳴る。 ……それとも 「んで、戻って来た妹達を……」 言いながら、山下が僕の手首の内側に鼻先を寄せる。 すん、と嗅いだ後、クッと持ち上げる口角。 「……って。さっきから何、怯えてんの? 大丈夫だよ。妹達は喋んないようにしてきたからさ」 カリ…… 手錠でできた痣に歯が立てられ、強く噛まれた後……舌が這われる。 まるで、注射跡を消毒するかのように。 「それに……実は俺もあの先輩、生理的に受け付けなかったんだよねぇ」 ……え 「そっかぁ。……柚希、死んじゃったんだぁ」 何故か嬉しそうに、山下が顔を綻ばせる。 「ウザかったな、あいつ。 柚木と同じ名前だからってだけで、俺達の間に土足で踏み込んできやがって。柚木の周り、うろちょろして。 目障りっつーか……丁度、消えて欲しいって思ってたんだよね」 「……っ、!」 山下……なに、言って…… 「柚木もさぁ、何でそんなに柚希にくっついてたの? ……好きだったの? それとも、隙あらばセックスしたかったとか……?」 そんな訳……! ──ダンッ 手を引っ込めようと力を籠めれば、床に強く叩きつけられる。 そして手首を縫い付けられると、山下が俺の上に跨がり、僕を静かに見下ろす。 「俺が何でこんなクソなサークル、入ったと思ってんの? ……柚木(お前)の為だよ。 柚木が柚希を気に掛けるように、俺も柚木が間違った事されねーか……ずっと見守ってきたんだよ」 山下の左手が、僕の右胸に触れる。 「……俺は今回、強化合宿メンバーに選ばれなかった。 渡瀬に頼んでも、来るなって一蹴されて。 だから。妹達利用して、ここに来たんだけどな」 そう話しながら人差し指と中指で乳首を挟み、軽く弄んだ後親指を加えてキュッと摘まむ。 「……ぃ、……あぁっ!」 「俺さ、キングや幹部達が女を輪姦してんの見ながら、柚木とヤってる所……想像してたんだぜ」 「──!」 顔を近付けた山下の息が、首筋に掛かる。 瞬間、ゾクッと体が震えた。 「柚木の裸思い出して、オナった事もあるし。 夢ん中でも、もう何度も柚木とヤった」 ……山下、……ヘン……だ…… 「お前が犯されてんの目撃した時………凄ぇ興奮した。 想像以上に淫らで、色っぽくて。 でも、だからこそ……何で俺じゃねーのかなって……ムカついてきてさ……」 ゾクッ…… 恐怖と共に湧き上がる、欲情。 怖い…… ……欲しい……こわい…… ほしい、ほしい…… 「……あぁっ、……ん…」 挿れてっ……! 口に出してしまいそうになり、慌てて噤む。 その唇を、山下の唇が覆い……ゆっくり、ねっとりと舌が這われる。

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