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第7話

 次の日、学校に行って生徒会長に伝えると「よくやった!」と肩を叩かれた。殴りたい。  放課後に天使を捕まえて告ろう!とガッツポーズをする生徒会長を思わず蹴ってしまった。許して欲しい。  だが、放課後になると天使はとある男子生徒に連れていかれてしまった。  生徒会長はそれを後からこっそりついて行く。何故か俺も。  空き教室に入った天使と男子生徒を見て、生徒会長は青ざめた。そして小声でぼそぼそ喋り出す。 「どうしよ、天使が穢される」 「いや、そういう雰囲気じゃなかったし」 「万が一!天使に手を出されたら俺…俺…」 「面倒くさいな。ほら、ドアの隙間から見えるぞ」 「あっ、本当だ」  しかし、隙間から見えた光景は生徒会長にはよろしくなかった。  そう、男子生徒が天使の首に顔を埋めているのだ。  生徒会長はカタカタ震えだした。 「お、おおおお俺の天使が」 「落ち着け。よく見ろ、天使嫌がってんじゃん。お前がここで助けてやればヒーローだな」  この一言がいけなかった。  生徒会長は真剣そうな顔で「そうか、助けてやれば…据え膳…吊り橋効果…うむ!」とぼそぼそひとりごとを言い出す。  嫌な予感がする。  空き教室の中で男子生徒が天使のアレをくわえようとした瞬間に生徒会長は立ち上がり、ドアを開けた。  しかし、天使は強かった。生徒会長が助ける前に男子生徒に膝蹴りをかましていた。  そして生徒会長により大きく開けられたドアのおかげで空き教室全体が見回せた。見回していると、どうやら膝蹴りで気絶したらしい、地面に寝る男子生徒を生徒会長が蹴って天使から遠ざけた。そいつ鼻血出してね…? 「副会長!」  突然呼ばれた。天使のもとにいる生徒会長は嬉しそうに顔を緩めてこちらを見ている。  それ天使に絶対見せんなよ。 「へーへーなんでございましょうか」 「ソレ片付けといてくれ」 「はぁ?!俺一人にやらせんのかよ!!」 「頼んだ」  俺を呼んだのは転がった男子生徒の回収を頼むためらしい。絶対後で何か奢らせる。それか殴らせてもらう。そう考えつつ、男子生徒を担いで保健室まで連れていった。  保健室近くてよかった。  男子生徒を預けて、俺の仕事もうないじゃん!とスキップしながら空き教室に戻る。俺もう帰ってもいいよね! 「かいちょーさーん!!アレ回収したし帰ってもいいー?……あっ!やべっ!!」  上機嫌で空き教室を覗くとそこにはラブシーン中の生徒会長と天使。  そこからはひたすら言い争いして天使が逃げてで、色々あった。そして俺はめちゃくちゃ疲れた。  生徒会長が天使を家まで送り届けると言うので「送り狼にはなるなよ」と言って俺は帰宅した。 *  たっぷり睡眠をとって朝、学校に行くと、生徒会長と天使が一緒に登校していた。  上手くいったのかーと思ってたけど、よく見ると天使引き気味だった。  これからも生徒会長に振り回されそうだと思うと胃が痛くなってきた。  今のところ天使は脈ナシっぽいし、生徒会長はゾッコンだし。生徒会長に憧れている女子生徒の事を考えると隠れてやれと思う。  なんでこうなったんだっけ…。  二人を眺めながら俺は鞄から取り出した胃薬と水を胃に流しこみ、深く深く溜め息を吐いた。  三割は俺が原因か。 (終わり)

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